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きみまろ御推薦、ユニデンの新液晶テレビを試すレビュー(3/3 ページ)

» 2006年05月16日 00時45分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 解像感は、“パネル解像度相応”といったところで、ハイビジョン映像は満喫できる。ただしエッジが甘いというか、少々シャープさが足りない印象を受ける。パネルよりはスケーラーの影響だと思うが、見易さ重視の味付けなのだろう。実際、SD映像でも破綻が見えにくいのは事実で、内蔵チューナーでの地上波アナログ放送の視聴も悪くないなという印象を受ける。このへんは微妙なのだが、現状において地上波アナログ放送の視聴で破綻を感じにくいのは、それはそれでメリットとも思える。野球やサッカー中継も視聴してみたが、残像に関してはとくに不満は感じなかった。

 比較として筆者の私物であるビクター「LT-26LC60」と比較してみたが、やはり全般に発色の淡白さが気になる。たとえばドキュメンタリー番組である「世界遺産」では、森林のシーンで緑の深みが足りないし、明るいスタジオ撮りの番組では人肌が明らかに白っぽい。比較対象のLT-26LC60が比較的“色乗りがリッチ”ということもあるが、少なくともパッと見の印象で負けてしまっている。どうも初期設定のコントラストが強すぎる傾向にあるので、コントラストを少し抑え目に、「色の濃さ」を少し強めにすると、さほど破綻することなく発色の淡白さが軽減された。シャープネスをプラス方向に振るとエッジの甘さも軽減されるが、結構ノイズ感は増すので、映像の質に応じて変更したいところだ。

photo 「あざやか」をベースに筆者なりに画質調整をしてみた結果。コントラストを押さえ気味に、色の濃さを少し強めにすると見栄えが良くなる傾向のようだ

造りや使い勝手は「Japanese Quality」

 いざ購入となると、やはりデジタルチューナーレスのより低価格な製品と比較してしまうだろう。本製品の明らかなアドバンテージは、2系統のHDMI入力に代表される豊富な入力端子と、造りの良さ、使い勝手の良さだ。製造は海外(中国)であっても自社工場だけに造りはしっかりしているし、操作系も基本的に悪くない。低価格製品にありがちな“内蔵のアナログ地上波チューナーが使い物にならない”という印象も受けない。企画や設計が自社であるメリットはしっかりと発揮していると思う。

photo 背面は、左に電源、右にAV入出力が割り振られているが、このようにスタンド部を通してケーブルを目立たないように処理することができる。ちょっとした点だが、いかにも国内設計という印象だ。スタンド取り付け部にはVESA規格に準拠したネジ穴も準備されていた

 反面、価格は微妙な所もある。今回試用した37インチモデルは19万8000円で、確かに大手メーカー製品の量販店価格と比較すれば競争力はあるだろう。しかし問屋系のショップであればデジタルチューナー内蔵の37インチ製品は買えなくもないし、もう2〜3万出せば結構な数の製品がターゲットに入ってくる。もちろん直販中心なので価格設定は今後も柔軟に対応してくると思われるが、送料と設置サービスが無料という点を差し引いても既に微妙な価格レンジといえる。

 とりあえず価格面の課題を置いておくとして、その造りや操作性、デザインなど製品としては決して悪くない。初期設定の画質が淡白ぎみなのも、直販が原則ということで店頭効果を狙う必要がなく、一般的な家庭の設置環境を考慮したと思えば納得がいく。明るさは重要だし、一般ユーザーにとっては若干ソフトフォーカス気味でもノイズが目立つよりは良いはずだ。テレビ側にデジタルチューナーは要らない、なにはともあれテレビを買い換える必要ができたのでどうせなら大画面を……といった人たちが、品質やサポートの面まで含めて安心して購入できる製品の1つであることは間違いない。

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