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ロケフリはどこまで広がるかLifeStyle Weekly Access Top10

» 2006年05月22日 18時17分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 大画面薄型テレビ購入の際、気を付けたいポイントをまとめたバイヤーズガイドが今週の1位。ユニデンとソニーの液晶テレビレビューもそれぞれ3位と7位に入り、液晶テレビに関する話題が多くランクインした。

 ところで、ランクインはしなかったものの今週の話題として興味深いのが、「ロケーションフリー」に関する発表会。ロケーションフリーはテレビやDVDプレーヤーを接続した「ベースステーション」からネットワークで映像を送信し、自宅内はもちろん、外出先でも楽しめるというものだ(「PSP」を“テレビ以上”にするロケーションフリー)

 加賀電子はMac OS用クライアントソフト、ACCESSはPDA(OSはPocket PC 2003以降/Windows Mobile)用ソフトを開発し、初夏にも市場投入する。現在、ローケションフリーを利用するにはベースステーションを購入したうえで、クライアントソフトをインストールしたWindows PCかPSPを組み合わせる必要があるが、これらのソフトでグッと利用範囲が広がることになる。

photo ローケションフリーを利用する際に必要なベースステーション「LF-PK1」

 ローケションフリーの“本家”、ソニーは2006年1月に行われたInternational CESで家庭用テレビを受信機として機能させるレシーバー「Locationfree Box」を展示したほか、ソニー・エリクソンの携帯電話「P990」をクライアントにしたデモも行うなど、家電全般を視野に入れているようだ。まずはMac OSとPDAからの対応となったが、個人的に期待したいのは携帯電話への対応だ。

photo International CESでソニーが行ったスマートフォンを利用したロケーションフリーテレビのデモ。携帯電話はソニー・エリクソンの「P990」がベース

 PDAやPCを常に持ち歩かない人もいるだろうが、携帯電話ならばほぼ間違いなく常時携帯する。帯域幅はネックになるが、無線LANを搭載した携帯電話は既に実用化されているし、最大3.6Mbpsの帯域幅を持つHSPDA携帯「N902iX HIGH-SPEED」も間もなく販売開始される。

 外出先、しかも携帯の小さな画面でテレビを見て楽しいか?という問いかけもあるだろうが、自宅レコーダーのHDDがすぐさま一杯になる人も多いはずで、ちょっとした空き時間を利用し、携帯電話で録画した番組をチェック――という使い方にも需要はあると思う。

 気になるのはメーカーの意向だが、ACCESSの荒川亨氏(代表取締役兼CEO)は「今後は携帯電話を含むあらゆる情報家電でロケーションフリーを推進していくべく製品開発を行っていく」とコメントしており、期待できそうだ。

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