モニター表示はカスタマイズが可能。グリッド線やリアルタイムヒストグラムのオン/オフをメニューで、それもEVFと液晶モニターそれぞれに対してセットできる。液晶モニターではグリッド線もリアルタイムヒストグラムもオンにし、EVFではそれらをオフにして撮影に集中、という使い分けも可能だ。
FUNCメニューは従来のPowershotと同じで、2006年型他モデルと同様、マイカラーモードにくっきりカラーなど従来の色効果モードが含まれている。
背面で目立つのは動画専用ボタン。モードダイヤルに動画ポジションもあるが、動画ボタンを押すと現在のモードにかかわらず動画撮影が始まる。
動画はVGA/30fpsでMotionJPEG。さらに音声はステレオでファイルサイズが大きくなるため長時間録画には向かないが、ちょっとした動画スナップには最強といっていい。320×240ピクセルで秒60コマというモードも用意されている。
ボディは全体に丸みを帯びてずんぐりしており、コンサバなカメラっぽいスタイル。ちょっと銀塩のEOS Kissっぽい感じもある。グリップは細めだが深さはしっかり撮られており、安定して構えることができる。
グリップの中にはバッテリー。単三形電池4本。ニッケル水素充電池を4本入れるとそれなりに重量も増すのでずっしりとくるが、その分電源供給は安定しており、CIPA規格で約550枚の撮影が可能だ(液晶モニター使用時)。ニッケル水素充電池の場合、完全にフル充電した状態で使い続けるのが難しい(バッテリー劣化のみならず、自己放電やメモリ効果の問題もある)ので、4本というのは安心できる。
そんなわけで、冒頭に書いたように、単なる手ブレ補正付高倍率超望遠系デジカメである以上に、高感度オートを使えばスポーツも気軽に撮れるし、バリアングル液晶のおかげでいろんなアングルで楽しめるし、動画もすぐ撮れるし、スーパーマクロでぎりぎりまで寄った撮影もできるなど幅広く使えるのである。超望遠も普通の撮影も楽しめる本格派のマニュアル系デジカメなのだ。
あとは逆光時のフレアが気になるのでアダプタとレンズフードは同梱して欲しかったとか撮影時重量がもっと軽くなればなあ(今はほぼ500グラム)というくらい。
キヤノンならではの安定した画質も含めて、とても楽しめるよいカメラだと思う。超望遠デジカメが欲しい、という人じゃなくても、多少大きくても何でも撮れていろいろ楽しめる1台をというのならこれを選ぶ価値はあるし、スポーツにも自然観察にも旅行にも最適である。ちょっと大きいけれどもその分楽しめるデジカメなのだ。
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