背面の電源ボタンを押すと、レンズがせり出し、1秒強で撮影スタンバイになる。レンズは、従来の光学3倍ズームからテレ側の焦点距離がやや長くなり、35ミリ換算の焦点距離が35〜140ミリ相当の光学4倍ズームを新採用している。
最近はコダックや松下電器産業、リコーの製品などワイド対応の薄型デジカメが目立ってきたが、IXY DIGITAL 800 ISの場合はワイド側ではなくテレ側の焦点距離を拡張した。メーカーの人によると、ワールドワイドの市場ではワイド側よりもテレ側が重要視されるとのこと。それに、ワイド化には技術的な困難もある。
市場のニーズや製品の位置付け、画質やボディサイズとのバランスを考慮して、まずはワイド化ではなくテレ化を選択したのは、キヤノンらしいといえばキヤノンらしい。他社のワイドな薄型コンパクト機が今以上に普及すれば、将来的にはワイドなIXY DIGITALが登場するかもしれない。後出しじゃんけんができるのはキヤノンの強さである。
IXY DIGITALシリーズとして初搭載した光学手ブレ補正機構(IMAGE STABILIZER=IS)については、その効果を十分に確認できた。試しに、ちょうど手元にあった手ブレ補正対応の最新コンパクトデジカメ6台を同一条件でテストしてみた。ワイド側で1/15秒のシャッター速度を使った際、90%以上の確率でブレが生じなかったIXY DIGITAL 800 ISは、その6台中では第2位の成績だった。
手ブレがしにくいのは、光学手ブレ補正機構の働きはもちろんだが、加えてボディが比較的大きくて重いことも一役買っている。仮に機械の性能が同じだとしても、ボディが持ちやすく、シャッターボタンが押しやすい機種ほどブレにくいのは言うまでもない。
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