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手になじむ曲線デザインの光学4倍ズーム機――「IXY DIGITAL 800 IS」レビュー(4/5 ページ)

» 2006年05月30日 18時00分 公開
[永山昌克,ITmedia]

安心して使えるスタイリッシュコンパクト機

 撮像素子には、1/2.5インチ有効600万画素CCDを搭載する。画質に定評のあるキヤノンの主力機ということもあり、クリアで鮮やかな発色や低感度のノイズの少なさは、このクラスのCCDとしては高いレベルだ。

 画質にはおおむね満足できるが、厳密な見方をすれば、ワイド側の歪みや画像周辺部の解像感の低下、逆光時のハレーションを指摘できる。高感度の画質についても、ほかと比較して劣るわけではないが、まだ改善の余地はある。個人的には許容できるのはISO400まで。ISO800の暗部ノイズはもう少し目立たないようにして欲しい。

 画質のカスタマイズとしては、撮影時の「マイカラー」または撮影後の「レタッチマイカー」によって、彩度やコントラストを調整したり、特定の色を強調したりできる。レタッチマイカラー機能をせっかく新搭載したのなら、彩度やコントラストだけでなく、明るさ補正もできるようにすればよかったと思う。ほかでは一般的な、再生メニューのトリミングがないのも疑問だ。

 とはいえ、トータルとしては非常に丁寧に作られたカメラであり、よく売れているのは納得できる。個人的にはもっと冒険や実験があってもいいと思うが、保守的で正統派のスタイリッシュコンパクトIXY DIGITALシリーズとしては、手ブレ補正や高感度モードを載せただけでも大きな試みだったのかしれない。

作例

photo 葉っぱの輪郭にはパープルフリンジと呼ばれる紫色のにじみが多少生じているが、他社機との比較では、かなり少ないほうだ
photo ズームのワイド側で撮影。言い方は悪いが、フルオートのままで無難な仕上がりになるので、使っていて安心感がある
photo 上のカットと同じ位置からズームのテレ側で撮影。掲載用にテレ側のカットを探したが、テレ側はあまり使っていないことに後から気付いた。私的には、このクラスのスナップ機ではテレ側よりもワイド側を重視して欲しい

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