本体同様、シンプルでスクエアにデザインされたパッケージを開くと、なんと日本語の簡易解説書が入っていることにまず驚いてしまった。単に、都内のショップが海外のデザイナーズ商品を輸入販売しているだけと思っていたので、解説書は良くても英語オンリーだと勝手に想像していた。おまけにWeb上にはより詳細な日本語マニュアルがPDFとして提供されている。購入前の商品スペックのチェックには有り難い。
デザイナーが真面目にデジタル・ミュージック・プレーヤーのデザインを考えた場合、絶対に踏み込んで行くフィールドは、付属する標準ヘッドフォンのあり方と本体とのコンビネーションだ。ASONO MICAも当然、ヘッドフォンは本体にマッチしたシンプルな一体型のデザインに仕上げられている。それはとりもなおさず、ASONO MICAを人気の他社製高性能ヘッドフォンを組み合わせて使用できないことを意味する。その代わり、トータルデザインの先進性と、携行時の安定したリスニングスタイルを同時に約束してくれるだろう。
そもそも「デジタル・ミュージック・プレーヤーの音質をとやかく言うこと自体に意味がない」、と言い切るオーディオマニアも多くいる。しかし、そこは少しでも良い音、出来れば、好みのサウンドで聞きたいと思うのがモバイル・ミュージック・ファンの気持ちだ。専用一体型ヘッドフォンのASONO MICAは、ヘッドフォンの買い換えや買い増しによる音質変化や気分的な音質向上を楽しむ可能性だけは叶えてくれそうに無い。実際には、イコライザー機能や3Dサウンドを活用することで、ほとんどのジャンルの音楽に対応できるサウンド作りが可能だ。
リスニング時の本体操作も、外観デザイン同様シンプルだ。ほとんど全ての操作を本体の表面中央にあるジョイスティックの上下左右の傾きで実現できる。モバイル環境が前提の商品では、その操作系を一カ所に集中することは重要な設計要素だ。慣れないうちは液晶画面を見ながら訓練し、慣れてくれば液晶を見ること無く、ジョイスティックを操作する指先だけで全てを制御できる。
筆者の様に長年「トラックポイント」を使っているThinkPadユーザーは、その形状を見ただけでヤケに惹かれてしまう。具体的な操作としては、ジョイスティックの上下移動で再生ボリュームの大小、左右移動で早送り、巻き戻しなど、ミュージック・プレーバックに関する一般的操作はジョイスティックだけで完結するインタフェースとなっている。。
裏側には、単純プッシュと長押し(2秒以上)によって機能の変化する「H 」「R」「M」3つのボタンが縦一直線に配置されている。「H」ボタンは長押しすることで、全てのボタンのロック機能を提供し、ミスタッチ等があってもモバイル時には安定した動作が約束される。普段はナビゲーションボタンとして機能し、音楽を収納したホルダー間の移動や目的の音楽ファイルの指定を行うことが出来る。
中央の「R」ボタンは、長押しすることで、本体をレコーディング状態に設定、内蔵マイクやLINE入力の外部マイク、他オーディオ機器経由LINE入力の音楽、FM放送をMP3形式のファイルとして録音処理出来る。また単純プッシュをインターバルを空けて行うことで、その2点間のリピート再生を実現する。
「M」ボタンは、長押しすることで、モード選択画面となり、「AUDIO」モード、「RECORDING」モード、「FM」モードの3つの画面移動と選択をジョイスティックで行える。また単純プッシュで、「MENU」画面となり、本体機能の詳細設定や、リピート操作、イコライザー設定、サウンドエフェクト、歌詞の表示や、自分の声とBGMとのMashuUp、ピッチ&スピードコントロール、等々ユニークなカラオケ機能設定を行える。この様に文字にすると、多少複雑に聞こえるが、実際は親しみやすいユーザインタフェースを提供している。
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