コラム
» 2006年06月27日 10時11分 UPDATE

っぽいかもしれない:ロボットを携えた“国際救助隊”、「IRS-U」の訓練に密着 (1/3)

NPO法人国際レスキューシステム研究機構(IRS)は、東京消防庁の立川訓練場で「レスキューロボット実証実験・想定訓練」を実施した。ロボットテクノロジーを配備した“国際救助隊”を目指すという彼らの訓練に密着してきた。

[こばやしゆたか,ITmedia]

 6月24日、東京消防庁第八消防方面本部消防救助機動部隊内立川訓練場にて、NPO法人国際レスキューシステム研究機構(IRS)による「レスキューロボット実証実験・想定訓練」が実施された。

想定されるシナリオ

 実験と訓練は、次のような「想定」シナリオで行われた。

 地下商店街にて、原因不明の異臭により、多くの人が吐き気や苦痛を訴えている。NBCテロ*1災害の恐れあり。IRS-Uが先行検索部隊として、要救助者の有無の確認、危険物質の発生場所の確認を行い、あとから到着した消防隊の後方支援にまわる。(想定訓練シナリオガイドより)


 ここに登場する「IRS-U」というのが、ロボットシステムを携えて救助に向かうチームの名前だ。IRSの関係組織として今年の3月に発足したもので「ロボットテクノロジーを配備した“国際救助隊”を目指して」いる。メカニックとしてロボットの開発者がいる以外は、消防隊員から構成されているのだが、彼らは通常の業務以外の時間を使ってボランティアとして参加しているのだ。

 また、シナリオを見ればわかるように、IRS-Uがロボットを使って行うのは、要救助者と危険物質を探し出すところまでだ。そのあとの実際に救助をするというフェーズは所轄の消防隊の人の手による仕事となる。

 そして実際のレスキュー作業では、「要救助者がいるのか、いるならどこにいるのか、そこにはどうやっていけばいいのか」という「検索」にかかる時間が非常に大きく、また危険なのだそうだ。ここにロボットを使うというわけである。

 訓練に使われたメカは、大きく分けて次の3種類だ。

レスキューコミュニケータ

 これは、あらかじめ(監視カメラや煙感知器のように)地下街の要所要所に配置されていることになっている通信システムだ。災害時には自動的に作動し、音声で呼びかけること、被災者の声を聞き取って救助本部に送ることができる。

photo レスキューコミュニケータ。実験では店舗にあたる各部屋の入り口付近におかれていた

レスキューロボット

 内部に入って検索をするロボットだ。当然、遠隔操縦が求められる。各種センサーとカメラによって周囲の状況を調査し、本部に情報を送る。今回は地下街のNBCテロの想定なので、瓦礫の山を乗り越えるというほどのことはいらないが、段差や階段くらいは走破できないと困る。


ICタグ

 検索が終わったら、その情報をICタグの形で、入り口付近に取り付けておく。後から来た人はそれを見れば、情報を共有できる。


実験開始

 それでは、実験と訓練を見ていこう。

photo ロボットとコンソールを搬入し、隊長の指示をうけている隊員


*1Nuclear/Biological/Chemical terrorism。核/生物/化学テロ。地下鉄サリン事件はまだ記憶に新しい

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