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ワンセグ視聴は満足、録画は不満――「gigabeat V30T」レビュー(1/4 ページ)

» 2006年07月28日 02時37分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
photo gigabeat V30T

 東芝の「gigabeat」といえば、iPodやウォークマンと同様、ポータブルプレーヤーの老舗ともいえるブランド。PCカード型HDDを搭載した初代の登場は2002年6月であり、そこから薄型&スクウェアな「Gシリーズ」、カラー液晶と感圧パッドを搭載した「Fシリーズ」、ボディサイズの小型化を図った「Xシリーズ」、OSにWindows Mobile Portable Media Center(PMC)を採用した「Sシリーズ」と進化を続けてきた。

 そしてこのたび、シリーズとしては初めてテレビ機能(ワンセグ)を搭載したモデルが登場した。それが「gigabeat V30T」だ。ワンセグの視聴はもちろん、HDDへの録画も可能とした製品である。今回はワンセグに関する機能を中心に、本製品の魅力を探ってみたい。

シンプルで好感の持てるデザイン

 まずは外観からチェックしよう。シリーズ製品としては初めて横置きをメインとしたスタイルとなっており、右側面と上面には各種の操作インタフェースが、左側面にはUSBをはじめとした接続インタフェースや収縮自在のアンテナが用意される。光沢のあるピアノブラックを基調としたデザインはシンプルで好感が持てる。

 ボディサイズは124(幅)×75(高さ)×19.5(奥行き)ミリ、約230グラム(本体のみ)。ポータブルHDDプレーヤーとしてはかなり大柄な部類に入るが、3.5インチの液晶を搭載した携帯テレビとして考えればそうともいえない。液晶の解像度は320×240ピクセルで、これは既存製品(Sシリーズ)と変わらない。

photophoto 正面(左)と左右側面

 操作インタフェースは十字キーと音量調節、「スタート」「戻る」、利用機能に応じたサブメニューを表示する「QUICK」の各ボタンの組み合わせで構成される。配置や形状こそは異なるが、QUICKボタンの新設を除けばSシリーズと変わらない。これは、本製品がSシリーズと同様、OSにWindows Mobile Portable Media Center(PMC)を採用しているからだ。

 上側面にはロックスイッチを兼ねるスライド式電源スイッチのほか、再生/一時停止、早送り、早戻しのボタンを備える。操作しにくいことはないが、設置位置の関係上、右手だけで本製品を持ったまま、これらのボタンを操作することは難しい。音楽や映像の再生時には両手で保持する必要があるだろう。

photophoto 本体右側には十字キーや「スタート」ボタン(左)、上側面のスイッチ類
photophoto 左側面にはUSBや拡張端子、AVアウトなどが設けられている(左)、側面から見ると本体右側に厚みがあることがよく分かる(右)

 内部に収録した音楽や映像を再生するだけのポータブル“プレーヤー”ならば、利用頻度が最も高い再生/停止ボタンは、製品を手に持ったとき、すぐ操作できる位置に備えられるはずだが、本製品では片手で素早く操作できるのはワンセグの視聴に必要な十字キーと音量調節、「スタート」「戻る」「QUICK」ボタンだけだ。このボタン配置からも本製品が「ワンセグの視聴」に重点を置いていることが分かる。

photo 右手に持った視聴スタイル。本体右側が手のひらになじむようにカーブを描いているのであまり重量は感じない。フィット感は上々だ
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