ITmedia NEWS >

シンプルだけに使いやすい、プリンストンのお風呂テレビ「PTV-WWTV7」(2/2 ページ)

» 2006年08月09日 01時21分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 あとは、必要に応じてメニューからチャンネル設定を呼び出し、受信できるチャンネルをスキャンすればいい。内蔵チューナーは、アナログ地上波/CATV(1〜62ch、C13〜C38)に対応しており、一度スキャンさせておけば、受信可能なチャンネルをテレビ本体のボタンで順送りにできる。

 そのほかの設定メニューは、4:3と16:9の画面モード切り替えと、画面の明るさ設定、無線LAN設定だけ。無線LANの設定は、電波の受信状況の悪いときに、使用チャンネルを選んで固定させるものだ。なお、画質の細かい設定やビットレートの変更といった項目は存在しない。

photophoto 設定メニューはとてもシンプルだ

 さて、実際にお風呂場に持ち込んで試してみよう。試用環境は、ベースステーションを設置したリビングから約10メートル離れた浴室。廊下を挟んで厚めの木製ドアが2枚あり、さらに浴室の入り口にも樹脂製の扉がある。周囲は石膏ボード入りの壁になっていて、普段利用している「ロケーションフリーTV」(LF-PK1とPSP、2.4GHzで接続)でも時折ブロックノイズが生じる、映像の無線伝送には少々厳しい環境だ。

photo お風呂場に設置したところ。スタンド部は8.5センチほどの奥行きがある

 まずデフォルト設定で試してみると、案の定、繋がったり、途切れたりを繰り返した。受信状況を示すアンテナアイコン(携帯電話と同じスタイル)は、1本と2本の間で変化し、画面にブロックノイズが入ったかと思うと、次の瞬間には止まる。そこで風呂場の扉を開けてみると、途端に安定した。まさに紙一重……いや“樹脂製扉一重”といった状況らしい。無線電波の届く範囲は環境によって大きく異なるものだが、一般的な木造住宅の場合では、壁2〜3枚が目安になるかもしれない。

 扉を開け放したまま風呂に入るわけにもいかず、設定メニューの無線チャンネル指定を試してみる。すると、1つ目で見事安定した。

photo 設定メニューの無線チャンネル

 次に画質をチェックする。前述のように液晶パネルは、カーナビなどで一般的に利用されているもので、480×RGB×234ピクセルの解像度を持つ。画質もまさに同程度で、“受信状況の良い場所で見る車載アナログテレビ”といった印象だ。コントラストが強めの傾向はあるが、解像感は十分で、細かいテロップも支障なく読めた。ただし、視野角はあまり広くない。

 それよりも気になったのは、スピーカーのダイナミックレンジが狭く、音が反響する浴室内では聞き取りにくい場合があること。それから、電源を入れ直したり、再接続が行われたりするたびに画面設定がリセットされてしまう点だ。個人的に4:3の画面を無理にワイド化してほしくない性分のため、画面設定で「4:3」を選択していたのだが、電源を入れるたびにワイド画面に戻ってしまう。このあたりは改善してほしい部分だ。

まとめ

 いろいろと文句をつけたが、基本的にPTV-WWTV7のシンプルなデザインと操作性、そして手頃な価格には好感が持てる。電源オンですぐ接続できる手軽さは、家族と共用する場合などに適している。

 ただ、将来のことを考えると、外部入力機器をテレビ本体から操作する手段を持たない点は念頭に置いておきたい。5年後にアナログ放送波が止まると(20011年のアナログ停波)、ベースステーション内蔵のチューナーは使用できず、テレビ視聴も外部入力が頼りになる。すると、お風呂の中でチャンネルを変更できなくなってしまう。

 たとえば、ソニーの「ロケーションフリーTV」やカシオ計算機の「XFERシリーズ」は、赤外線リモコン信号を使ってテレビ本体からベースステーションに接続した外部機器をコントロールする機能がある。しかしPTV-WWTV7は、そうした付加機能の多くを削ぎ落とすことで、シンプルな使い勝手と低価格を実現した製品だ。もちろん、それはそれで存在意義は大きいと思う。

 なお、プリンストンではデジタルチューナー搭載モデルの発売を計画しているという。そちらにも期待したいところだ。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.