背面には2.5インチの「クリアフォト液晶プラス」を継続して搭載。色再現域が広く、ARコーティングにより明るい場所でも視認性が高い点などが特徴だ。画素数も23万画素と十分で、上下左右の視野角も広いので撮影や画像の確認にも便利。
背面のデザインについてはまったく変更がない。液晶上部にモードスイッチ、本体右側上部にズームレバー、その下には画面表示切り替え、メニュー、十字ボタン、画素数変更/削除、スライドショー/露出補正の各ボタンが並ぶ。十字ボタンには上にフラッシュ、右にマクロ、下にセルフタイマー、左にレビューが割り当てられている。十字ボタン中央にはOKボタンが配置される。
新しい点といえば、スライドショーボタンに露出補正が割り当てられたこと。これまでメニューからたどるしかなかったが、このボタンを押すだけで素早く露出補正が変更できるようになった。撮影中には機能しなかったスライドショーボタンに、比較的よく使う露出補正が割り当てられたのは素直に喜びたい。
それ以外の機能はメニューボタンを押して上下左右ボタンで変更する。このあたりのインタフェースはまったく変更がない。それほど悪いインタフェースだとは思わないが、メニューの一番上から一番下に遷移しない点、OKボタンを押しても確定しない点はちょっと疑問を感じる。たとえばISO感度を変更したい場合、カーソルをISO200などに合わせ、そのままシャッターボタンを半押しするか、メニューボタンを押すことで確定するのだが、メニューボタンを押すよりOKボタンを押す方が自然だと思う。
また、マクロボタンに拡大鏡モードの割り当てが新設された。これまで拡大鏡モードはメニューから設定するしかなかったが、マクロボタンを押す度に「マクロオフ」→「マクロ」→「拡大鏡」とトグルするようになり、より使いやすくなった。
ボタン類の大きさはこれまで通り小さいが、特に十字ボタンは適度な出っ張りがあって、決して押しにくくはない。このあたりの良さは継承している。
バッテリーはインフォリチウムTタイプを採用するので、小型ながらも長寿命。バッテリーの残量が残り時間で表示されるのはソニーならではの良さだ。また、画像処理エンジンの「リアル・イメージング・プロセッサー」の省電力化により、撮影可能枚数はCIPA規格で約250枚を実現。T9が約240枚だったからわずかながらバッテリ駆動時間が延びた。
こうした細かい機能改善はほかにもあり、たとえば動画撮影中のズームに対応したり、フラッシュ到達距離が最大ISO時で4メートルから4.9メートルに延長したり、2秒セルフタイマーが追加されたり、ビビッド/ナチュラル/セピア/モノトーンのカラーモードが追加されたりと、細かいながらも使い勝手を良くする改善が図られている。
T10は、「今コンパクトデジカメに必要な機能」の多くを詰め込みつつ、薄型コンパクトでスマートなデザインを実現。T9との機能差はそれほど大きくはないので、旧モデルとなるT9を選んでも良さそうだが、使い勝手の向上もあり、T10も十分オススメできる。ヒットする要素十分のカメラだ。
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