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iTMS開始1年、アップルは“ミュージックカンパニー”へインタビュー(2/2 ページ)

» 2006年08月10日 21時31分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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――広く音楽のダウンロード販売という市場をみると、日本では携帯電話向けの市場規模が非常に大きいです。それに、iPodをはじめとしたポータブルオーディオプレーヤーの市場は、頭打ちに近づいているとの観測もありますが。

ベル氏: 携帯電話向けの市場が大きいことは認識していますし、それは世界的な傾向でもあります。ただ、ユーザーは携帯電話とiPodの両方を外出時に手にしてくれています。それはとてもうれしいことです。iPodがいかにシンプルな使い勝手を備えているかの証明ともいえますからね。

 ポータブルオーディオプレーヤーの市場が頭打ちを迎えているとは思いません。iPodとiTMSはいずれも成長し続けていますし、それを裏付けるだけのデータもあります。iPodとiTMSの組み合わせはとても便利に使えますし、ハードウェアとサービス、双方のチャンネルから利用者を集められます。

ダウンロードという体験を広めたい

photo ベル氏が手にしているのは、SUMMER SONICで配布されるiTunesカード。

――今夏に日本を含めた21カ国で行われているキャンペーン「Summer of Music」(関連記事)ですが、なぜこのような大規模な取り組みを行おうと考えたのですか?

 ※キャンペーンではiTMSでの無料ダウンロードやインストアライブのほか、8月12/13日に東京と大阪で行われるライブイベント「SUMMER SONIC」の来場者全員へ、3曲が無料ダウンロードできるiTunesカードが配布される。SUMMER SONICについては、iTMSに特設コーナーも設けられている。

ベル氏: 音楽ファンへ直接、リーチしたいと考えたからです。夏は大きな音楽イベントが数多く行われますから、音楽ファンとわれわれの製品/サービスをつなぐにはいいチャンスです。

 SUMMER SONICの会場で配布するiTunesカードには、iTMSで音楽をダウンロードするためのガイドが付属しています。カード配布は既に何度も行っていますが、ガイド付きでの配布は初めてのことです。音楽ダウンロードという経験を大切にしたいと思っています。

――ちなみに、数多く行われる夏の音楽フェスの中から、なぜSUMMER SONICをカード配布の場所に選んだのでしょう?

ベル氏: iTMSではRISING SUN ROCK FESTIVALの特設コーナーも用意していますし、特別SUMMER SONICに入れ込んでいるわけではないです。ただ、オーディエンスの多いイベント、iTMSと関連の深いアーティストの多く出演するイベントを重視したいとも思いますので、今回はSUMMER SONICがベストだと判断したのです。

――SUMMER SONICでカードを受け取り、初めてiTMSを利用するユーザーもいると思いますが、iTMSをどのように楽しんで欲しいですか?

ベル氏: iTMSにはいろいろなジャンルの音楽が用意されていますから、自分の手で“発見”して楽しんで欲しいですね。アーティストが自らのオススメをプレイリストにして公開する「セレブレリティ・プレイリスト」もありますから、そこから未知の音楽に触れるのもいいかもしれません。とにかく、まずは音楽ダウンロードという体験をして欲しいと思います。

photophoto 類を見ないという使い方説明書付きのiTunesカード。SUMMER SONIC来場者には入場時に渡される予定
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