ITmedia NEWS >

使いやすさが向上した定番広角デジカメ――松下「LUMIX DMC-FX50」(2/4 ページ)

» 2006年08月18日 18時48分 公開
[小山安博,ITmedia]

 大型化にともなう多少の問題を差し引いても、やはり3.0インチという大型液晶は、構図のとりやすさや閲覧のしやすさなどメリットが多い。解像度の高さの割にインタフェースがこれまで通りなのがちょっと残念な気もするが、文字サイズも大きいので見やすく、使い勝手は悪くない。

photo メニュー画面は従来通り。このあたりは特に変更がない

 3.0インチの大型液晶を生かした機能としては2画面表示機能が上げられる。再生時にカメラを縦にし、上下に2分割されたそれぞれに撮影画像を表示する機能で、構図を少し変えて撮影した写真やブラケッティング撮影した写真などを表示して簡単にチェックできる。上下に並んだ写真はそれぞれ前後送りができるが、拡大表示には対応しない。これができればさらに便利だっただろう。

photo 2画面表示

 また、液晶の大型化で、1画面25コマまでのサムネイルやカレンダー表示も見やすくなっている点もポイント。撮影日付別にサムネイルを表示することも可能だ。

photo カレンダー表示も液晶の大型化で見やすくなっている
photo サムネイル表示は最大25コマ

ジョイスティックによる優れたインタフェース

 さて、液晶を大型化し、それでいながら本体のコンパクト性も維持しようとすると、どうしても犠牲になるのが操作ボタンのたぐいだ。ボタンは小さくなりがちで、そのあたりはどのメーカーも苦労している。

 同じ3.0インチ液晶搭載モデルでは、ソニーの「DSC-N1」やペンタックスの「Optio T10」といったモデルがタッチパネルを採用し、操作ボタンを思い切って排除する方向性を打ち出しているが、一般的なコンパクトデジカメは十字ボタンと中央のOKボタン、または円形の4方向ボタン+中央ボタン(FX01はこのタイプだった)という操作ボタンが多い。それに対してFX50ではジョイスティックを採用、この操作ボタンの問題に対処した。

 LUMIXシリーズのジョイスティックは、DMC-FZ7から搭載されたインタフェースだが、FXシリーズでの採用は今回が初めて。十字キーや円形キーの代わりにジョイスティックを搭載することでボタンが占める範囲を削減でき、しかも操作性はほとんど犠牲にならない、というスグレモノだ。

photo 本体上部のデザインは従来とまったく変わらない。ジョイスティックは適度な出っ張りがあって押しやすい

 ほかのジョイスティック搭載LUMIXシリーズと比べ、十字キーの代わりにジョイスティックを使っているので、操作性はやや異なっている。十字キーや円形キーとの操作性の違いは、やはりボタンを「押す」のではなくスティックを「倒す」という点で、ジョイスティックに適度な出っ張りがあり、個人的にはこちらの方が使いやすく感じた。

photo 露出補正はジョイスティックを飢えに倒す。さらに上に倒せばブラケッティング

 OKボタンも兼ねていて、スティックを倒すつもりが押してしまい、「OK」動作になってしまう場合もあったが、こういったミスは慣れれば少なくなるだろうし、それほど目くじらを立てるほどでもない。

 ジョイスティックでは、上に露出補正、右にフラッシュ、下にレビュー表示、左にセルフタイマーが割り当てられ、スティック自体を押すことでメニュー/OKボタンとして機能する。背面のボタンはさらにディスプレイボタンと連写/削除ボタンの計3つだけと、背面はこれまで通りシンプルだ。

 もともと複雑な撮影設定をするカメラではないので、ボタンが少なく操作が単純なのはいいことだ。メニュー画面はこれまで通りシリーズに共通したもので、極端に秀でたものではないが、特に違和感は感じない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.