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撮ることを楽しめるデジ一眼――松下「DMC-L1」レビュー(2/3 ページ)

» 2006年09月04日 16時21分 公開
[永山昌克,ITmedia]

「ヴィーナスエンジンIII」を搭載

 フォーサーズシステムを採用したことは、これまで一眼レフ機を開発するノウハウやレンズ資産がなかった松下電器産業にとっては、まっとうな選択だろう。フォーサーズシステムとは、もともとオリンパスが提唱したデジタル一眼レフ機のオープン規格のこと。規格内であれば異なるメーカー間でもレンズの互換性を保てることや、すべてのレンズがデジタル専用に最適化されていることが利点だ。

 また、フォーサーズシステムでは4/3型の撮像素子を用いている。他のエントリー向けデジタル一眼レフ機で主流のAPS-Cフィルムサイズの撮像素子に比較すると、撮像素子のサイズがやや小さいため、同じ画角で比べた場合の被写界深度が深くなる特徴もある。

 DMC-L1の撮像素子は、4/3型有効750万画素のLiveMOSセンサーだ。CCDに比べて低消費電力で発熱やノイズが少ないからこそ、ライブビューが可能になった。加えて1画素の受光部面積を広く設計することで、ハイライトからシャドーまでの滑らかな階調表現を実現している。

 ベータ版では高感度の画質がノイジーな印象を受けたが、実際の製品ではかなり改善され、ISO400までならノイズはほとんど気にならない。ISO800や1600も用途によっては実用的だろう。

作例

 以下の作例ではすべて付属の標準ズーム「ライカD バリオ・エルマリート 14-50mm F2.8-3.5 ASPH.」を使用した。フィルムモードを記していないカットは、初期設定の「スタンダード」を選んでいる。

photo かなり暗いシーンのため、シャッター速度は1/13秒になったが、手ブレ補正の効果はてきめん
photo 感度はISO200で、シャッター速度は1/6秒。焦点距離17ミリで、このくらいの速度ならかろうじてブレない

photo 感度はISO200で、シャッター速度は1/8秒。ホワイトバランスはマニュアルでセットした
photo 焦点距離50ミリを使用。被写界深度が深いとはいえ、近接撮影ではそれなりに浅くなり、背景はぼける

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