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» 2006年10月05日 22時30分 UPDATE

CEATEC JAPAN 2006:DLNA、伝送路上の権利保護を進める新ガイドラインを発表

「CEATEC JAPAN 2006」3日目の基調講演。DLNA社長兼ボード議長のスコット・スマイヤーズ氏が、ネットワーク伝送路上の権利保護を目的とする「DLNAリンクプロテクション・ガイドライン」を発表した。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 10月5日、DLNA(Digital Living Network Alliance)が「CEATEC JAPAN 2006」の基調講演を行い、「DLNAリンクプロテクション・ガイドライン」を発表した。ネット配信などによる商用コンテンツをホームネットワーク内で活用できるという。DLNA社長兼ボード議長のスコット・スマイヤーズ氏は、「より魅力的なコンテンツを簡単かつセキュアにDLNA機器間で共有できる」とアピールした。

photo DLNA社長兼ボード議長のスコット・スマイヤーズ氏(ソニー・エレクトロニクス副社長)

 一般的にDLNAのガイドラインといえば、機器同士の相互運用性を保証する「インターオペラビリティガイドライン」のことを指し、今年3月に「拡張インターオペラビリティガイドライン」(1.5)が完成したばかりだ。スマイヤーズ氏によると、リンクプロテクション・ガイドラインは「拡張ガイドラインのアップデート」で、10月末までに正式に発効するという。

 続いて壇上に上がったDLNAボードメンバーの南方郁夫氏(松下電器産業)は、まず従来の「DLNAインターオペラビリティガイドライン」(1.0)と比較しながら、拡張ガイドライン(1.5)の概要を説明した。「1.0は、サーバとプレーヤーだけで構成される極めてシンプルなもので、しかも著作権保護のいらないコンテンツだけを(伝送の)対象にしていた。一方の1.5には、携帯電話やデジタルカメラなど、主にモバイル機器を対象とした機能拡張が含まれる」。

  ガイドライン1.0 拡張ガイドライン(1.5)
DRM/コンテンツ保護 Link Protection
メディアフォーマット JPEG、LPCM、MPEG-2 モバイル用MPEG-4、AAC、MP3など
AV伝送 HTTP RTP
機器制御/コンテンツ管理 UPnP DCP、UPnP-AV1.0、UPnP Device Arch v.1.0 PrintBasic2、UPnP-AV拡充
ネットワークプロトコル IPv4 QoS追加
物理リンク イーサネット、802.11a/b/g Bluetooth

 たとえば、書斎のカメラからリビングルームのサーバに写真コンテンツをアップロードする。サーバに保存してあるコンテンツをモバイル機器に入れて外に持ち出す。あるいはモバイル機器をリモコンにしてリビングルームにあるサーバを検索し、寝室のテレビに映し出すといったユースケース(利用シーン)を想定しているという。

 そのため、メディアフォーマットとしてモバイル用のMPEG-4やAAC、MP3などを新たにサポート。デバイスクラスには、DMC(Digital Media Controller)やM-DMS(Mobile Digital Media Server)など10個を追加し、Bluetoothによるワイヤレス伝送や簡単なQos(Quality of Service)も用意している。

DTCP-IPとWMDRMを採用

photo DLNAボードメンバーの南方郁夫氏(松下電器産業)

 新しいDLNAリンクプロテクション・ガイドラインでは、著作権保護技術にDTCP-IPを採用(必須)し、WMDRM-ND(Windoows Media)をオプションに設定した。既にDTCP-IP対応を謳うDVDレコーダーなどもあるが、これらはARIB仕様に基づいてデジタル放送のMEPG-2 TTS(タイムスタンプ付きTransport Stream形式)のみを伝送対象としたものだ。対して、DLNAリンクプロテクション・ガイドラインでは、MPEG-2 PS(Program Stream)をサポートする。これにより、たとえば著作権保護技術を導入した映画配信サービスからダウンロードしたコンテンツなども、ネットワーク内にある機器で再生できるようになる。

 「(DTCP/IPを採用したことで)ARIB仕様との親和性も高い。これでコンテンツプロバイダーからホームネットワークまで、権利保護されたパスが出来上がり、配信サービスとホームネットワークの両面で一層の普及が期待できるだろう。ただ理解してほしいのは、これがファーストステップであり、今後も継続して取り組んでいくということだ」(同氏)。

 実際に運用する場合、まず映像配信サービスが新しいガイドラインをサポートすることが前提となる。また、プレーヤーとなる機器で当該サービスが採用している動画ファイル形式をデコードする機能が求められるなど、課題は多い。南方氏が「ファーストステップ」と表現した背景には、こうした事情があると想像できる。

 なお、今回の講演では、次期インターオペラビリティガイドライン(2.0)の展開についても触れられた。DLNAでは、リンクプロテクション・ガイドラインと並行して、次期ガイドラインへの取り組みも進めており、現在は新しいユースケースをベースに仕様案を検討している段階だという。「おそらく、2.0は複数のフェーズに分け、段階的に出てくることになるだろう。2007年度中には最初のフェーズが実現すると思われる」(南方氏)。

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