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小型軽量ボディに多機能を凝縮――ニコン「D80」レビュー(2/4 ページ)

» 2006年10月06日 05時53分 公開
[永山昌克,ITmedia]

 ファインダーと液晶モニタは、D200から受け継いだものだ。ファインダーには倍率0.94倍、視野率95%のガラスプリズム式を採用する。表示が大きく、クラストップレベルの見やすさといっていい。液晶モニタは2.5インチ約23万画素の低温ポリシリコンTFTを搭載。晴れた日の屋外でも十分な視認性を確保している。

標準ズーム「AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-70mm F3.5-5.6G(IF)」を装着
背面のマルチセレクターではAF測距点の切り替えや、再生コマ送りなどができる
ファインダーの表示が明るくて大きいので、ピントや構図の確認がしやすい

カメラ内編集機能を新搭載する

 ユニークな新機能としては、カメラ内での画像編集に対応する。一般的なトリミングやリサイズのほか、コンパクトデジカメCOOLPIXシリーズから移植した「D-ライティング」によって、暗部を明るく補正したり、画像全体のカラーバランスを調整したり、モノクロやセピア調に変換したりできる点だ。RAWで撮った2枚の画像合成も可能だ。

 これらの画像編集機能でできるのはごくシンプルな補正である。画像を細かく調整したいならフォトレタッチソフトを使って、後からパソコン上で行ったほうがいいことは言うまでもない。だが、ちょっとしたスナップ写真などの場合は、パソコンでの後処理の手間をかけずに、カメラ内でサッと補正できてしまうのが便利だ。もちろん補正前のオリジナルデータは損なわれない。

 さらにBGMやエフェクト付きでスライドショー再生ができる「ピクトモーション」機能や主要被写体をカメラが自動認識してピントを合わせる「オートエリアAF」機能なども新搭載した。いずれもコンパクトデジカメの機能を応用・発展させたものといえる。せっかくのピクトモーションは、テレビにつながないとBGMが聞こえないのが惜しい。

 新機能ではないが、スナップ撮影時に重宝するのは「感度自動制御」機能だ。十分な光量が得られずに、あらかじめ設定したシャッター速度を下回る場合、感度が自動アップし、手ブレや被写体ブレを抑えられる。感度アップの上限も設定できる。

 またバッテリーの残量をパーセンテージで細かく確認でき、バッテリーの劣化度もチェックできるのはD200から受け継いだ便利な機能だ。そのほか、秒間3コマの連写、RGB別のヒストグラム表示、ファインダー内の格子線表示、高感度や長秒時撮影時のノイズ低減、各設定の意味をテキスト表示するヘルプ機能など、多彩な機能を備える。

画像編集機能の1つ、「フィルター効果」→「カラーカスタマイズ」の設定画面
左の元画像に対して、「D-ライティング」を適用し、暗部を明るく補正したのが右の画像。効果の程度は3段階から選べる
「カラーカスタマイズ」機能を使い、全体を暖かみのある色調に変更してみた。画像をそのまま印刷する用途にも役立つ
同じく「カラーカスタマイズ」で、色かぶりを除去。これらの作例には「AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-135mm F3.5-5.6G(IF)」を使用

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