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フットワークの軽い“新形態”サイクロン掃除機、三菱から

» 2006年10月17日 19時14分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 三菱電機は10月17日、新型サイクロン掃除機「LAQURLI」(ラクルリ)を発表した。独特の円形スタイルや360度回転する台座の採用により、家具の間を“すり抜ける”ように移動できるのが特徴だ。「楽にクルリと回るから、ラクルリ」(同社)。価格は8万6100円。11月10日に発売する予定だ。

photophoto ホワイト、レッド、ブラックの3色をラインアップする

 本体の台座部分にくわえ、底面にある5つのキャスターも360度回転する。また、重いモーターを本体中央部に配置した“ミッドシップモーターレイアウト”が本体の安定性を向上させ、急な方向転換による転倒を防ぐという。台座部分にはソフトバンパーを備え、掃除中に家具などにぶつけても傷が付きにくい。

photophoto 底面にある5つのキャスターも360度回転する
photo 三菱電機ホーム機器の塚本郁夫社長

 「掃除中のストレス要因を調べたところ、“狭い場所や入り組んだ所で方向転換がうまくいかない”“本体が傾いたり、ひっくり返ったりする”ことに4割以上の人が“かなりストレスを感じる”と回答した。引き回し性能の向上は、潜在的な不満を解消して掃除を楽しくする」(三菱電機ホーム機器の塚本郁夫社長)。

 メンテナンス性にも着目。従来のサイクロン式掃除機で課題とされていた微細塵によるフィルター目詰まりを解消するため、HEPAフィルターを自動的に掃除するメカニズムを搭載した。掃除が終了すると、フィルターを回転させつつ、さらに振動を加えてHEPAフィルターに付着した塵を落とす仕組みだ。これにより、8年間はフィルター掃除をしなくても吸引力が落ちないという。

photophoto 右がHEPAフィルター。手前の透明部分にはゴミの臭いを抑える「ナノテクプラチナ触媒」を搭載する

 アタッチメントはノズル交換不要で45センチまで延び、家具と家具の隙間やエアコンの掃除にも便利。ブラシは自走機能を持ち、手を添えるだけで進む。ブラシ部分はダニの死骸や花粉を抑制するという「アレルパンチ植毛」を施した。

 収納時もスタイリッシュだ。丸い本体にホースを巻き付け、フックに引っかければコンパクトになり、390(幅)×360(奥行き)のスペースに収まる。ラクルリのデザインを担当した同社デザイン研究所の中町剛氏は、「掃除機は自動車のように流線型に設計されることが多いが、本来は家具や雑貨が溢れた空間を移動するもの。直進するケースはほとんどない。ラ クルリでは、掃除機の動きにマッチした形状と収納スタイルの両立を目指した」と話している。

 三菱電機では、掃除機の需要は毎年約500万台で安定傾向にあるという。急激な需要増が見込めない中、ラクルリのような提案型の高付加価値商品に注力することで単価アップを狙う方針。今後は同製品のような丸形デザインをベースに、コードレス化やロボット化の研究を進めていくとしている。

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