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セグウェイに乗ると“人に勧めたくなる”理由新型「セグウェイPT」試乗記(1/2 ページ)

» 2006年10月23日 00時18分 公開
[こばやしゆたか,ITmedia]
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 先週金曜日(10月20日)、日本SGIが米Segwayの「セグウェイ・パーソナル・トランスポーター(PT)」の国内正規総販売代理店になり、同日より発売開始するという発表を行った。恵比寿ガーデンプレースで行われた記者会見および試乗会に参加してきたので、そのときの模様を報告しよう。

 最初に強調しておくが、現在の日本の道路交通法では、まだセグウェイが公道を走ることはできない。日本SGIも当面は法人向けに販売していく。

 発表会は、まず日本SGIの和泉法夫社長が壇上に上がり、なぜ日本SGIがセグウェイを扱うのか、ということを説明した。日本SGIは、スーパーコンピュータ以外にロボットも手がけている。Posyのようなキャラクター性のあるものだけではなく、レスキューロボットといった稼動性の高いロボットも開発している。そして、それを通じて「産学協同」ということを積極的に行っている会社だ。セグウェイはここにぴったり当てはまる。

 また、セグウェイは誰にでも扱える「乗り物」だけれども、その中身は二重化されたCPUや5つのジャイロセンサーなど、「ITの固まり」だ。日本SGIはさらにここに位置情報サービスや音声認識などの付加価値を付け加えることもできる。

 「そして、(セグウェイの発明者の)ディーン・カーメンは、(SGI創業者の)ジム・クラークと相通じるところがあるんです」

 次に、米Segwayのジェームス・ノロッドCEO(James Norrod)が登場。彼は、プレゼンテーションの間中、ずっとセグウェイに乗ったままだ。そんなに広くない空間をくるくるまわりながら乗り続けるのだ。

 セグウェイはこのように優れた安定性と静寂性(セグウェイで走り続けていても、それがプレゼンの邪魔にはならない)と排ガスゼロとを実現した乗り物だ。アジアでも多くの地域で既に販売されている。とくにあの有名な俳優のジャッキー・チェンは、自分で所持するだけではなく、販売も行っており、マレーシアに「Segway only island」といって車は使わずセグウェイだけの島を作ってしまったりしている。

 次に、既にセグウェイが使用されている場面を紹介した。

photophoto 軍用の例(写真左)。セグウェイでカートを引っ張っている。写真右はセグウェイを駆動部に使ったロボットの研究例。左側はNASA、右側はシドニー大学

 また、アメリカアマゾン社では、端末と連携して、倉庫の中で本を取りにいくのにセグウェイを使っている。また、ゴルフ場では、セグウェイを使えば歩かなくていい!(ノロッドさん大強調)。セグウェイのタイヤは、ゴルフカートよりも芝に優しいのだ。

 説明が終わると、ノロッドさんはセグウェイに乗ったまま壁に近寄って、壁際ぎりぎりで静かに停止した。これがとってもかっこ良かった。

 最後に日本における販売戦略について、日本SGI戦略事業推進本部長の大塚寛氏が説明を行った。

 「まず、理屈抜きで乗れる。笑顔で乗れる。セグウェイは楽しい乗り物です。」

 日本SGIはまず法人向けに販売を行っていく。また、販売と同時に「セグウェイ保険」(販売は三井住友海上保険株式会社)への加入を義務づけ、安全性も高めていく。同時に日本SGIによる保守サービスも徹底する。

 また、販売は正規代理店と協力して行っていく。既に、ビジュアルテクノロジー(東京)とクレセント/イングリッシュロビン(名古屋)の2社と代理店契約を結んだ。

 販売先としては、(広い敷地の)企業や工場、大学や研究所などのキャンパス、原子力発電所、セキュリティ(セグウェイはあまり威圧感を与えない)、アミューズメント、ショッピングモール、そしてゴルフ場といったところが考えられる。

 また、ITによる付加価値を高めるのは、大学などとのコラボレーションによることになるが、これは日本SGIの得意とするところだ。一方、個人向け販売については、まだ個人が買っても走る場所がないために、「段階的に行う」という表現にとどまった。

 ここで和泉社長より補足が入った。ドイツでは30日ほど前、カナダではつい先日、法律の改正があってセグウェイで公道を走れるようになった。日本でも走れるように、国に積極的に働きかけていく。

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