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れこめんどDVD:「GOAL! STEP1 イングランド・プレミアリーグの誓い(HD DVD)」DVDレビュー(1/4 ページ)

» 2006年10月27日 08時43分 公開
[飯塚克味,ITmedia]

「GOAL! ゴール!STEP1 イングランド・プレミアリーグの誓い(HD DVD)」

発売日:2006年10月18日
価格:5040円
発売元:東芝エンタテインメント
上映時間:118分(本編)
製作年度:2005年
画面サイズ:シネマスコープサイズ・スクイーズ
音声(1):ドルビーデジタルプラス/5.1chサラウンド/英語
音声(2):ドルビーデジタルプラス/5.1chサラウンド/日本語

 Blu-ray Discに対応機の発売が目前に迫り、にわかに活気付くかと思われた次世代ディスクだが、Blu-ray Discビデオの相次ぐ発売延期で、どうにも期待どおりに事が運んでいないように思われる。

 対するHD DVD陣営の代表である東芝エンタテインメントは、ワールドカップにあわせて製作されたサッカー映画の傑作「GOAL! STEP1 イングランド・プレミアリーグの誓い」をHD DVDでもリリースした。3部作で製作され、世界中がサッカーブームに湧き上がる中で公開されたスポーツ映画の傑作はHDの高画質でどのように見えたのだろう?

 今年、ドイツワールドカップ開催にあわせて5月27日に公開されたサッカー映画「GOAL! STEP1 イングランド・プレミアリーグの誓い」(以下「GOAL!」)がHD DVDと2種類のDVDでソフト化された。

サッカー映画はなぜ人気がないのか

 「GOAL!」は国際サッカー連盟(FIFA)をはじめ、レアル・マドリード、ニューカッスル・ユナイテッドといった超名門チームが全面協力し、かつてないほど大規模で製作されたサッカー映画だ。製作はタランティーノ作品で知られるローレンス・ベンダー。監督はハーベイ・カイテル主演のクライム・サスペンス「プレイデッド」でデビューし、「ジャッジ・ドレッド」「ラストサマー2」などを経て、「CSI:科学捜査班」で注目を集めたダニー・キャノンだ。

 彼はデビュー作こそ注目されたものの、映画作品では本領を発揮できず、埋没してしまったかに思えた。しかしテレビで次第に頭角を表し、こうして劇場作品で見事な完全復活を遂げてくれた。今回の「GOAL!」でもテレビ作品で身につけた彼のセンスが遺憾なく発揮され、充実した時間を過ごすことができる。

 作品の製作背景に目を移すと、製作者たちが語るように、これまでなぜサッカー映画が作られなかったのか不思議に思える(日本ではSMAP主演の「シュート!」があったが……)。しかし、アメリカのサッカーに対する無関心ぶりが映画を製作させなかったのは自然な流れと言えるかも知れない。

 あの国では野球やアメリカン・フットボール、バスケット・ボール、ホッケーなどで飽きるほど映画は作られているが、関心のないサッカーのようなスポーツについてはビジネスチャンスと捉えられていないようだ。実際公開時にもアメリカで大きな扱いを受けず、ランキングでもベスト10にすら入ることなく420万ドルという低調な結果で興行を終えている。

 一方、日本では大規模な宣伝展開が目を引いた。特典映像にも収録されている国立競技場でのプレミア、新宿歌舞伎町でのイベントが開催され、巨大な看板も各地に作られた。しかし興行的には6億円という微妙な数字になり、ワールドカップクラスの盛り上がりを期待していた関係者たちには不満が残ったかもしれない。

予想以上の面白さ!これぞ娯楽作の王道!

 しかし映画の完成度は間違いなくトップクラスだし、劇場で見る価値のある作品であることだけは強調しておきたい。実は私自身、公開時に見逃してしまっていて大きな口は叩けないのだが、初めてビデオでこの作品を見たとき、劇場で見なかったことを大きく後悔した。

 魅力的なロングショットの数々、素晴らしいストーリー展開、ユニークなキャラクター設定。どれもが期待を大きく上回る出来だったのだ。今となっては残りのシリーズ2作を劇場で見逃さないようするばかりだが、HD DVDであれば劇場以上の興奮を体感できるのではないかと思いつつ、ディスクをチェックしてみた。今回もいつも通り、液晶プロジェクターによる80インチのスクリーン再生と42インチのプラズマでチェックを行った。映像再生はHDMI接続にした。

主人公のバックグラウンドが透けて見えそうな高画質

 CH-1では主人公サンティアゴ・ムネスの少年時代が描かれる。フォーカスアウトした画面からボールで遊ぶ少年にピントがあってくる。画面は彼の将来を暗示するかのような黄金色にシフト。すこぶるシャープな少年たちの姿が、HDの超高画質を実感させ、見ているこちらにも彼らの幸福感が伝わってくる。

 その後、画面は全体に青色に変わる。父親に連れられて、夜中に外出させられるサンティアゴたち。フェンスにたどり着いたところで彼らが不法に越境しようとしていることが分かる。サンティアゴはこの時、大事にしていたサッカーボールを落としてしまう。

 拾おうとするが、父親に「放っておけ!」と言われてあきらめる。冒頭のこの配色は後のシーンでも繰り返され、サンティアゴの運命を左右するアクセントとしても使われているので、色味がより鮮やかに感じられるHD DVDならその効果もより生きてくる。

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