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新しい世界を体験――手軽に持ち歩く顕微鏡デジカメ「X-Loupe」レビュー(2/4 ページ)

» 2006年11月14日 21時30分 公開
[小山安博,ITmedia]

 撮影方法的には、マクロ設定をしておきたくなるが、X-Loupeを使う場合は通常撮影でよく、むしろマクロを設定するとピントが合わなくなる。ただ、いずれにしてもピント合わせはかなりシビアだ。ちょっとでも動かすとピントがはずれ、手で構えて撮影するのはちょっと難しい。

 これだけの超拡大撮影だから、当然のように極力シャッタースピードが稼げるようにしないと手ブレもひどく目立つ。一応付属のレンズは先端にLEDライトを内蔵しており、撮影するときのライト代わりになるが、もう少し光量があると良かったかもしれない。積極的にISO感度を上げるしかないだろう。

 ほかに、説明書には推奨設定として「モードはマニュアル」「ホワイトバランスは太陽光」「マイカラーはくっきりカラー」が挙げられている。この設定に従っておけばいいだろう。

photo 説明書によれば、まずモードをマニュアルにする。設定はカメラ背面のファンクションボタンを押す
photo ホワイトバランスは太陽光
photo マイカラーは「くっきりカラー」

動かず騒がず、じっくり撮影

 さて、撮影を前に下準備はそのぐらいだ。あとはちょっと分厚くなったIXYを持って好きなものを撮りに行こう。

 撮影機能はIXY DIGITAL 70なので、基本的にはオートで撮影するカメラ、マニュアル撮影モードとはいえ、ホワイトバランスやISO感度が変更できるぐらい。逆に気軽に超拡大写真が撮影できることになる。

 実際に撮影してみると、かなりピント合わせは難しい。合焦範囲が極端に狭いので、ちょっとカメラや被写体が動いただけでピントがずれる。被写体が許せばレンズをぴったりと被写体に押しつけて撮影するのがいいだろう。

 ただ、レンズをそのまま被写体に押しつけてもピントが合わない。そのため、付属のゴムキャップを付け、レンズ先端から被写体までの距離をちょっと離すと、押しつけてもきちんとピントが合うようになる。ゴムキャップなので被写体にも優しいだろう。

photo 実際の撮影はこんな感じで被写体にカメラを近づける。ただ、この写真ぐらいの近寄り方だとピントは合わない。もうちょっと近づく必要がある

 もちろん、顕微鏡なのだから、動くような被写体の撮影はほとんど不可能だ。もともとキヤノンのコンパクトデジカメのAFはあまり速くはないのだが、特に近接撮影に弱い。もっとも、AFスピードがどんなに速くても、こうした顕微鏡的使い方での動体撮影はまず不可能だろう。

 そのため、普通に使うには静物になるのだが、さて、そうなると何を撮るか……と、実は考えるまでもない。普段見かけるものでも、150倍で撮影すると全く違うものになる。

 もはや新しい世界。新しすぎて何が何だか分からないという場合も多いが、とにかく撮ってみると今まで見えなかったいろいろなものが見えてくる。

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