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れこめんどDVD:「M:i:III(HD DVD)」DVDレビュー(3/4 ページ)

» 2006年11月24日 00時24分 公開
[飯塚克味,ITmedia]

バチカンの壁の表現力や教会内部のディテールも驚異的

 CH-7ではリンジーの救出時に得た情報に基づき、デイヴィアンがバチカンでのパーティーの際、“ラビットフット”という謎の情報を得るという話を聞き、デイヴィアン確保に向かうIMFメンバーの活躍が見られる。イーサンが駆け上がるバチカンの壁の表現力が歴史を感じさせる。

 また教会内部や重厚感溢れる床などディテールの見え方も驚異的だ。確かにHDの映像に見慣れてはきたが、普通の劇映画でNHKスペシャル的な映像を見られるとは!今後はこうしたショットでロケ地の案内などもできるようになるだろう。

 CH-8はパーティーシーン。マギーQ演じる女スパイ、ゼーンがオレンジ色のランボルギーニに乗ってやってくるのだが、車体のあまりの美しさにスタッフが写りこんではいないだろうかなどと、劇場ではあり得なかった心配までしてしまった。もちろん彼女が身に付けているアクセサリーやバッグの類の輝きについてはいちいち触れるまでもないだろう。本物を見ているかのような錯覚にとらわれる。

 CH-9ではトイレでフィリップ・シーモア・ホフマン演じるデイヴィアンがイーサンたちに捕まる場面だが、バチカンのトイレの荘厳な雰囲気にも見とれてしまうだろう。細かい装飾に美術スタッフのこだわりが見て取れるのがうれしい。

 CH-11は中盤の山場で、海の上にある長い橋でデイヴィアンの争奪戦が繰り広げられる。ヘリやジェット機まで繰り出してくる敵の強大さにイーサンたちは圧倒され、せっかく捕らえたデイヴィアンを強奪されてしまう。名前を知られたイーサンはこの後、立場が逆転。妻ジュリアを狙われてしまうのだ。

 CH-12はジュリアの行方を捜し、義理の弟リックにイーサンが電話をかける場面から始まる。この場面は、劇場では全く気にも止めなかったリックの部屋にすだれが掛かっているのが分かって驚いた。短い場面だが、リックのキャラクターを掘り下げて装飾を行ったのだろう。普通のブラインドにもできたろうが、すだれが掛かっていたとは苦笑しつつも驚いてしまった。

 妻を奪われたイーサンはリンジーからの個人情報を隠蔽したとされ、IMFにも捕まってしまう。上司マスグレイブの手助けにより、無事脱出したイーサンはジュリア救出のため、上海へと向かう。

 CH-14では予告編にも流れていたビル屋上からの決死のダイブが描かれる。上海の街並みの美しさと高所の恐怖が同時に感じられる素晴らしいショットが堪能できるが、これ以降の展開は映画を見て楽しんで頂きたい。

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