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第61回 RAWデータとJPEGの関係今日から始めるデジカメ撮影術(3/4 ページ)

» 2006年11月24日 11時29分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

苛酷な環境はRAWデータで押さえておくといい

 さて。江戸東京博物館は日本の博物館にしては珍しく、内部での撮影がOKな場所。でもとても暗いので撮影に向いた場所ではないし、こういう場所でフラッシュを光らせるのは無粋というもの。

 そこで、カメラのISO感度を3200に上げ、ノイズ低減処理をオフにし、モノクロモードにして撮ってみた。これがそのJPEGデータ。

 暗いならいっそモノクロで撮っちゃえ、さらに高感度ならではのノイジーさをそのまま使っちゃえというわけだ。

 でもRAWでも同時記録したのである。RAWデータとして残っているのは「モノクロにする前の生のデータ」なので、これがあればカラー写真にもできる。

 RAWデータには「生データ」と一緒に撮影時のセッティング(現像パラメータ)も記録されているので、モノクロモードで撮ったものは開いたときに白黒画像で現れる。でもこれはいくらでも変更可能なのだ。

 まずこれをカラーにする。ここではニコンの「D200」で撮ったものを同社の「CaptureNX」というソフトで現像する例だが、他社の一眼レフでも基本的には同じだ。

 次にホワイトバランスを合わせる。

 一応白熱電球に合わせてみた。本格的にやりたいなら、被写体の前に白い紙なりなんなりを写しこんだカットをひとつ作り、それでホワイトバランスを補正し、同じ補正を紙を写しこんでないカットにもかけてやる、という技を使う。

 3番目に露出補正をかけて明るくする。

 でもISO3200の高感度で撮ったので、細かいノイズが結構出ている。

 そこで「ノイズリダクション」をかけてよう。色ノイズを消す機能だ。ノイズリダクションをかけると副作用として全体にのっぺりしちゃうし、細部に不自然さが出ちゃうが、大袈裟に補正した例としてご容赦を。

 で、ちょこちょこっと微調整して少し傾いていたのでそれを補正してトリミングして、一応完成。

 という具合だ。

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