これは明らかにアナログ・オーディオの中心となるメインアンプなどが、電源トランスの大きな順に音質変化があるのと類似している。もし、読者がこれからiPodシリーズを購入しようと考えているなら、そしてモバイルミュージックにも、身軽さやファッションセンスよりも音質にこだわるなら、間違いなく最も重いiPodを購入すべきだろう。iPodならビデオも楽しめる。予算が許すなら、そして「重量教」に入信する覚悟なら、最も重い80Gバイト版がもっとも良さそうだ。
iPod nanoはiPodシリーズの中では最も音質、サイズ、価格のバランスの取れたモデルであるから、最も多く売れ、世界中で多くの周辺機器やアクセサリーが発売され、他人様とは違う「俺様オーディオ」へ向かって究極のカスタマイズの可能性が高い機種だ。しかし、残念ながら音質的にはiPodには及ばない。
最新のiPod Shuffleは、低価格とピンマイクのような超小型サイズ、そして超軽量さが売りだ。PCとのミュージックデータのやり取りはこれまで同様にUSBケーブル経由だが、シリーズの中では変則的なインタフェースを採用する。E5Cのような高級ヘッドフォンを併用することで、かなりの自己満足と少しの音質的改善は期待できるが、根本的にはさほどは変わらない。最近、筆者はPodcastで配信される「ニフティ寄席」の専用機として活用することが多くなった。
昨今はケータイ電話もどんどんデジタルオーディオをサポートしてきているが、バッテリーの問題や操作性、サイズなどを総合的に考えるなら、どこかの電話キャリアが提案しているiPod nanoのコンビネーションがソリューションとしてはリーズナブルだろう。
筆者は、最近使い出した三菱電機製のFOMA D903iに、まだ少し高価な2GバイトのmicroSDを内蔵してケータイミュージックにトライしてみたが、結局のところ、独立したデジタルオーディオを別に持ち歩いた方が快適だと悟った。
iPodの寡占状態が世界のミュージックワールドの発展にとって、本当に良いかどうかは評論家やその辺りが専門の識者に任せるとして、デジタル・ミュージック・プレーヤーの世界にも「音質の良さ」をうたうメーカーが現れてきたのは筆者にとっては嬉しいことだ。
オーディオメーカーの老舗であるケンウッドが発売するデジタルアンプ搭載のポータブルオーディオ(HD20GA7)は音質の重視をうたい、メーカーのWebページで、辛うじて雰囲気や数値スペックを見られる。しかし、残念ながら実機やそのサウンドを確認できるショップが東京都内にも少なく、ユーザーが増えないのが現実だ。
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