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会社で“蟻の巣”を育ててみた――バンダイ「ants life studio」レビュー?(2/2 ページ)

» 2006年12月01日 20時16分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 とりあえず、はたらきアリに同僚たちの名前を付けてみたが、みんなシルエット状態なので個体を識別できずに断念。もっとも、個々のはたらきアリに感情移入しても、割とあっさり死んでしまうので癒し系玩具としてはよろしくない(アリには寿命も設定されている)。やはり“アリの巣”自体の成長を見守るのが正解のようだ。

 もちろんアリの巣を眺めているだけでは面白くないから、ときどきアリたちにちょっかいを出す。メニューを起動し、巣の近くに角砂糖をおいたり、巣に棒を突っ込んだり、糸を垂らしてアリ釣りをしてみたり……。基本操作はボタン4つだけなので迷うことはない。巣の成長に伴い、選択できるアイテムなども増えていく。

photophoto 角砂糖や小石を置くときは、UFOキャッチャーのようなアームが出てくる(左)。メニュー画面で本体の設定も可能

 警報のような音がしたら、すぐに画面をチェックしよう。天敵が現れた証拠だ。天敵には地蜘蛛(じぐも)や蛙、ミミズなどがいる。画面はアリ目線のため、ほとんど化け物だ。もし天敵が現れたら、慌てず騒がず本体を軽く叩き続けよう。すると、内蔵の振動センサーが揺れを検知して、アリを食べようとする天敵を撃退できる。人間は巣の成長を“ちょっとだけお手伝い”するのだ。

photophoto ミミズ出現! ミミズは地中を通ることもあり、せっかく作ったアリの巣を壊してしまう。叩け、叩け

 こんな感じで、社内で1週間ほどアリの巣を観察してみた。会社に戻ると、とりあえず巣の様子をチェック。巣が大きくなっていたり、アリが増えていたりすると、なんだか幸せな気分になるから不思議だ。そして季節や時刻によって変化する時計画面を眺めては仕事を忘れ、アリを釣っては仕事から逃避……ダメスパイラルにはまりつつも、それなりに楽しめた。


 アリがテーマの玩具といえば、ゲーム「シムアント」や、ジェルの中で本物のアリを飼う「アントクアリウム」を思い出す。アンツライフスタジオは、アントクアリウムのようなリアリティに欠けるが、そのぶん手軽で、容器の汚れやカビといったリアルなトラブルに遭遇することがない。アントクアリウムに挫折した経験のある人なら一見の価値はあると思う。

 ただし、ゲーム性を求めると拍子抜けするかもしれない。アンツライフスタジオでは、人間はあくまで傍観者。ちょっかいを出すか、天敵を追っ払うといった“お手伝い”しかできない。それを承知しているのなら、成長するインテリアを日々眺めているのは悪くない気分だ。

 巣の成長はゆっくりとしたペースで、1週間では部屋が3つ程度にしかならなかったが、もっと時間をかけると画面いっぱいに、そして2画面目まで広がる。それまではゆっくりと眺めていようと思う。

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