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» 2006年12月05日 19時51分 UPDATE

姿は見えぬがコレもロボット――日本SGIの空間ロボット

日本SGIは人間の音声や感情を検知し、室内機器の制御を行う“空間ロボット”を開発した。「感情」を感じ取ることで、「励ましてくれる部屋」「癒してくれる部屋」も可能に。

[渡邊宏,ITmedia]

 日本SGIは12月5日、人間の音声や感情で室内の機器制御を行う“空間ロボット”「RoomRender」を開発したと発表した。基本的なコンポーネントの価格は500〜600万円程度が見込まれており、同社では企業の会議室や一般住宅、ホテル、福祉・介護施設などへの導入を狙う。

photo “空間ロボット”「RoomRender」のコンセプト

 この空間ロボットは、同社とAGIが共同開発している感性制御技術「ST」(Sensibility Technology)を中核に、アドバンスト・メディアの音声認識技術「AmiVoice」や各種機械制御システム、センサー類から構成される。

 音声認識技術によって、「ブラインド下げて」「テレビつけて」などといったコマンドを空間ロボットが認識し、操作が行われる。また、STによって音声にこめられた感情を分析し、気持ちを光に変換する電子ガジェット「言花」(KOTOHANA)のコンセプトを応用した「FeelingWall」で空間の演出も行うほか、アロマディフューザーからそのときの感情に応じた香りを流すことも可能だ。

photophoto 一声かけるだけで会議室がムーディーな空間に(左)、FeelingWall(右)

 「RoomRenderは、“ヒトとロボットの心地よい関係をデザインする”がコンセプト。STを核に、室内にある機械を空間の一部と捉えて一括制御するように束ね、声で制御するインタフェースです」(同社 戦略事業推進本部 池田曜司氏)

 メインのインタフェースは音声入力だが、タッチスクリーンやリモコンによる操作もサポートする。「あまりなじみのない音声インタフェースだけでは、利用者になんらかのストレスを与えてしまうこともある。タッチスクリーンやリモコンといった既存インタフェースを残すことも、“心地よい関係”の構築には大切と考えました」(池田氏)

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 部屋そのものが利用者の音声と感情を理解することで、「疲れたなぁ」とつぶやいたら部屋が少し暗くなってFeelingWallが揺らくと同時にリラックスできるBGMが流れだし、アロマディフューザーからリラックスできる香りが漂う――といった空間演出が自動的に行えるようになる。

 また、リビングルームに導入してAV機器と連携する設定を施せば、「9時からのドラマを録画してよ」といった音声だけで各種機器の操作を行うことも可能になる。ただ、現時点では利用者の趣向を学習する機能は実装されておらず、「“録画しておいて”という命令だけで毎週見ている番組一覧を機械側が提示する」といったことはできない。

 部屋が人の声と感情を理解する、という特徴を持つことからさまざまな施設への利用が想定されるが、価格面のハードルもあり、当面は法人向けの導入からとなる。一般家屋向けの販売も想定されているが、「既存システムとの連携や利用スタイルといった問題があるので、当面は完全オーダーメイドでの受注になるだろう」とのこと。

photo 将来的にはSegwayもRoomRenderに組み込まれる可能性があるとのこと。「呼ぶと来てくれたり、充電が切れそうになったら自動的に充電台に向かったりすることが、RoomRenderでSegwayをコントロールすれば可能です」(同社)。左はアウトドアに特化した新型の「x2」だ

 今後、導入事例が増えれば必要な機能をパッケージ化し、住宅メーカーや住宅施設メーカーと共同で、家庭に導入するといった構想もあるという。大がかりなホームシアターシステムを導入する際のイメージに近いといえるだろう。

 市場への投入時期だが、現時点では法人/個人向けともに未定。ただ、利用される技術そのもはそれぞれ完成してることから、同社では「費用とニーズ問題」(池田氏)と認識している。「ただ一斉に機器を制御するだけなら、他メーカーの製品でも構わない。あくまでも心地よい環境の提供を目指したい」(池田氏)

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