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「LF-PK20」で何が変わった?レビュー:ロケーションフリー新製品(前編)(2/2 ページ)

» 2006年12月12日 05時50分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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photo LF-PK20では、「AP」(アクセスポイント)と「CLIENT」(クライアント)の動作モードを底面のスイッチで切り替え可能

 さらに大きなアップデートは、ベースステーションを無線LANクライアントとして設定できるようになったことだろう。LF-PK20では、「AP」(アクセスポイント)と「CLIENT」(クライアント)の動作モードを底面のスイッチで切り替える。CLIENTにすると、手持ちの無線ルータのクライアントとして動作するわけだ。

 そのメリットは、イーサネット(インターネット回線)とRFケーブル(TVアンテナ)の両方をベースステーションにつなげる必要がないことだ。この2つがすぐ近くにある家はいいが、離れていると、どちらかのケーブルを引っぱってこなければならず、あまりスマートではない。しかし、すでにある無線ネットワークにCLIENTとして参加できれば、ベースステーションにはRFケーブルとAV機器だけを接続し、ラックの中に放り込んでおけばいい(設定時は有線接続する必要がある)。

学習対応のリモコン

photo 前面に赤外線受光部を備えている

 個人的にもっとも興味を持った新機能が、学習対応のリモコン。ロケーションフリーには、PCやPSPといったクライアントの画面にソフトウェアリモコンを表示し、外部機器を操作する機能がある。ネットワークを介し、前述のAVマウスから赤外線リモコン信号を送出する仕組みだ。

 ここまでは従来機と同じだが、LF-PK20では、本体前面に赤外線受光部を備え、リモコン設定を容易にした。たとえばプリセット信号を選択する際、外部機器の付属リモコンをLF-PK1に向けてボタンを押すと、該当機器を検索してリストアップしてくれる。従来のようにメーカーから選んでいく手間がなくなった。

photo 文字数は限られるものの、各ボタンの名称を変更できる

 ただし、プリセット信号だけでは機器固有の機能などカバーしにくい部分があり、また最新機種を網羅することは難しい。たとえば、わが家の場合はHDD内蔵のデジタルCATV STB「TZ-DCH2000」が見つからなかった。松下製デジタルSTBの設定はあるのだが、もともとHDD非搭載機向けのリモコン。「録画番組一覧」や「再生/停止」といったボタンがあるはずもない。

 こんなときに役立つのが学習機能だ。クライアントソフトにはあらかじめ汎用的なリモコンのテンプレートが複数用意されており、ボタン1つ1つに好みのリモコン信号を割り当てることができる。学習させたボタンの名称変更にも対応しているため、ある程度のカスタマイズも可能。自分好みのリモコンを作ることができる。


 「LF-PK20」は設置の柔軟性という点で大きく進化した。さらにリモコン機能の学習対応により、とりあえずどんな外部機器でも“必要な機能が使えない”状態は避けられることになった。LF-PK1で指摘されていた弱点がほとんど解消され、PK1ユーザーとしては嬉しいような、悔しいような、複雑な気分である。

 後編では、MPEG-4 AVCの画質と、ソニーの新提案「LF-BOX1」の使い勝手を検証する。

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