さっそく「Planar T* 85mm F1.4 ZA」と「Sonnar T* 135mm F1.8 ZA」でポートレート撮影を試してみた。下の写真は85ミリの開放値を使い、およそ1.5メートルの距離から撮影したもの。カメラはα100を使用した。
「Planar T* 85mm F1.4 ZA」をα100に付けると、実撮影画角は127.5ミリ相当になる。そのため、本来ポートレートに適した85ミリの画角よりも狭いが、これくらいの人物アップではかろうじて適度な距離感を維持できる。写りは、開放値にもかかわらずピントが合った部分のシャープネスが高く、そこから滲むようなボケがきれいに生じている。
一方「Sonnar T* 135mm F1.8 ZA」で撮った下の写真についても、開放値のシャープネスは非常にいい。まつ毛や髪の毛の1本1本までくっきりと再現できている。135mmでは、α100装着時の実撮影画角は202.5ミリ相当。中望遠というより、望遠と呼べる画角になる。
他のレンズとも比較しながら撮影したが、このカールツァイス2本の開放値でのシャープ感やボケの表現は予想以上に満足できるレベルだった。ただ、こうした至近距離での撮影では特に被写界深度が浅くなるため、ピント合わせには細心の注意を強いられた。わずか数センチ、距離によってはミリ単位の深度しかないため、フォーカスロックした後にカメラや身体が少しでも動いてしまえばピントを外す。特に135ミリの開放値の近接撮影は、カミソリのような被写界深度しかない。
多少絞ってもボケ味は損なわれないので、ピンぼけの危険を回避するため少し絞りたい気持ちもあったが、せっかくの大口径レンズの試写なのでこの日はあえて開放値でつらぬいた。その結果、狙い通りのピントになったのは全体の半分程度。腕や慣れの問題もあるので、カメラのせいにはしたくないが、AFやファインダーの精度がより高い上級ボディを使いたいと感じたのが本音だ。αマウントのデジ一眼は、現行ではα100しか選択肢がないのがつらいところ。
とはいえ、α100はボディ内手ブレ補正を備えていることが強みになる。たとえ夕方や夜間などの光量が乏しいシーンでも、開放値の明るさと手ブレ補正機能の相乗効果によって、感度をあまり高めずに手持ちでポートレート撮影ができるのはありがたい。
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