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コンパクトデジカメの2006年を振り返るコラム(2/3 ページ)

» 2006年12月29日 01時55分 公開
[小山安博,ITmedia]

 PowerShot G7と同じくハードウェアベースで顔認識を実現したのが富士フイルム。「FinePix F31fd」「FinePix Z5fd」はごく一般的なコンパクトデジカメだが、顔認識機能を搭載したことで、格段に使いやすさが向上している。

 高感度という今のコンパクトデジカメの流れを作り上げた富士フイルムが、“次の機能”として力を入れているのがこの顔認識機能だろう。これは確かに便利でおもしろい機能なので、今後のトレンドになりそうだ。

 富士フイルムでは「FinePix S6000fd」もおもしろいカメラ。今はほとんどなくなった一眼レフライクなスタイルのデジカメで、富士フイルムは「ネオ一眼」と呼んでいる。

photo FinePix S6000fd

 28〜300ミリ相当という広角から望遠までをカバーし、撮影機能も豊富。顔認識機能も搭載するし、高感度時の画質はさすがに富士フイルム。光学式手ブレ補正がないのが惜しいが、スペックだけ考えれば一眼レフと交換レンズを数本持つより軽く小さい。

 もちろんマニュアル撮影にも対応するので幅広い撮影が可能。コンパクトという括りには収まらないサイズだが、インパクトのあるカメラではあると思う。

誰にも負けない「一芸」を持ったカメラ

 マニュアル志向に続いて注目したいのが、「一芸」のあるカメラ。

 個人的に最も大きく取り上げたいのがコダックの「Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラ」。上下に並ぶ2つのレンズを使って疑似的に23〜117ミリ相当の焦点距離を実現した製品だ。

photo Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラ
photo 23ミリは歪みも大きいが、撮っていて楽しくなる

 前述のGR DIGITALにワイコンをつければ21ミリ相当になるが、単体で23ミリ相当の広角撮影が可能なのはこれぐらい。完全にオートで撮影するカメラ(しかもワイド端ではパンフォーカス)なので撮影に凝るというカメラではないが、広角レンズのおもしろさを手軽に楽しめる。

 単純に広い空間が撮影できるとか、狭い空間でも人がたくさん撮れるとか、使っていて便利なカメラだし、一度使ったら病みつきになるカメラの1つだと思う。12月には後継モデルのV705も登場。米Kodak自体はデジカメの製造から撤退してしまっているので、今後のモデルがどうなるのかはよく分からないのが残念なところだ。

 一芸という意味で分かりやすいのが防塵防水デジカメ。コンパクトタイプではオリンパスとペンタックスが積極的だ。「μ725SW」「オプティオW20」の2モデルは、海や山といった自然の中から、精密機器に無遠慮な子ども相手まで、どんなシーンにも持ち出して撮影できる点が強みだ。

photophoto μ725SW(左)とオプティオW20(右)
photo 防水なので、水の近くにまでぐぐっと寄って撮影したり、そのまま水の中に入れても問題ないので、普通のカメラにはない撮影が可能になる

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