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第64回 ポートレートと構図の関係今日から始めるデジカメ撮影術(2/3 ページ)

» 2007年01月11日 11時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

白い服と黒い服と光の当たり方

 顔を撮るってことはすなわち、明るさも顔が基準になるということ。でもカメラはどれが顔かなんて分かっていないので、時には明るくなったり暗くなったりする(最近は、顔を認識して自動的にきれいに撮ってくれるデジカメもあるが)。

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 これなんか顔がすごく暗い。髪の毛なんかべたっとつぶれちゃってる。なぜかというと、服や背景が白いから。白いものは光をたくさん反射する=明るい、ためにカメラが誤解して暗く撮ろうとしちゃうのだ。そういうときは露出補正をする。

photophoto 左がプラス1、右がプラス1.7

 だいたいプラス1くらいを目安に補正してやると服の白さも出るし、顔も適正な明るさになる。

 逆もまた真なり。黒い服で暗い色の背景だと、カメラが明るく撮ろうとしちゃうから黒はグレーになり、顔は白くなりすぎる。

photophoto 左がノーマル、右がマイナス1

 そういうときはマイナスの補正をかけてやると、黒は黒っぽくなり、顔も肌色が甦る。もっとも、できるだけ顔は白く撮って欲しいという女性もいるかもしれない。その辺は好きずきで。

 晴れてたら、光の方向にも気を配るべし。冬の太陽は真っ昼間でも低い位置にあるので、角度によっては顔に強く陰影が出ちゃう。光が正面から当たると陰影があまり出なくて平面的になる。

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 雲が薄くかかってたので日差しは強くなかったが、正面の光だとこんな風に顔の陰影があまり出ない。その上、撮られてる方がまぶしくて、目を細めたりしがち。

 逆に、逆光だと顔が暗くなる。

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 髪の毛がキランと輝いてよい感じではあるので、

photo プラス1の補正

 プラスの補正をしてやると、顔はそこそこ明るくなり、髪の毛も日差しで輝く。背景は白くトぶけれども、背景がどうなろうと知ったこっちゃないという潔さも大切。

 横からの日差しだとこんな風に立体的になる。

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 髪の毛の影が入ってしまったので、ちょっと髪を手直し。

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 顔に光が当たりました。ほんのちょっとしたことだけど、それで写りはずいぶん変わるのだ。

 で、どういう方向から光が当たるといいかに正解はない。逆光で撮るのが好きな人もいるけど、その人の顔立ち次第なのだ。陰影が強く出た方がカッコいい人もいれば、あまりでない方がいい人もいる。鼻が高い人を、鼻が高いように撮るか、高さが目立たないように撮るかはもう撮る人や撮られる人次第なのだ。

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