では撮ってみよう。
ぶっちゃけた話、人間の手は常にブレているのである。シャッターを押した瞬間は誰の手だって微妙にブレてる。そのブレが写真に写っちゃうか写らないかの違いなのだ。
ブレが写りやすいのは、シャッタースピードが遅いとき。いくら常にブレているといっても、人間の手のブレ(というか、「揺れ」)はそんなに速くない。だからシャッタースピードが十分に速ければ、ブレが写真に写らない。逆に遅いときはアブない。
目安はどのくらいか。一般にしっかり持って撮った場合、「35ミリ換算の焦点距離分の1秒」が限界といわれている。
35〜105ミリ相当の3倍ズームデジカメを使っているとしよう。
その場合、広角側で撮るときは「1/35秒」、望遠側で撮るときは「1/105秒」よりシャッタースピードが遅いとブレやすくなるということだ。適当に撮ればもっとブレやすいし、きちんと工夫して撮ればもうちょっと遅くてもブレないので、まあ目安ということで。
大事なのは望遠側の方が厳しいということ。望遠の方がブレの影響が大きく出る(望遠ってのはデカく撮るってことだから、一緒にブレもデカく撮れちゃう)ということ。だから望遠に強い高倍率ズームデジカメに手ブレ補正機能は欠かせないのだ。
さらに、多くのデジカメは望遠側の方がレンズが暗くなる=シャッタースピードが遅くなるのでなおさらブレる。望遠時は注意、である。
上の写真も望遠時なので、余計にブレやすかったのである。
というわけで、ヤバいと思ったら「望遠より広角で撮る」。望遠だとブレやすいし、どのカメラも広角側が一番シャッタースピードも上がるから。
さらに感度を上げてみる。感度を上げるとシャッタースピードも上がるからだ。同じ写真で感度を上げてみた。
感度を上げるほどブレなくなってるのが分かるかと思う。でも、感度を上げると画質は落ちてくる。難しいところだ。
「光学式手ブレ補正」機能を持ってるデジカメだともうちょっとがんばれる。こうしたカメラは一般に「2段分」の補正機能を持っている。2段といってピンとこない場合はシャッタースピードを1/4にして計算してみるといい。例えば「普通に撮って1/40秒でブレちゃうときでも、2段分の補正があれば1/10秒でもブレない」ってことだ。補正の範囲には限界があるが、かなり効果があることに間違いはない。
ちなみに、高画素の方がブレやすいというのも知っておいた方がいい。画素数が多いとほんのわずかなブレも記録しちゃうからだ。
上の画像ではブレてるかどうかまったく分からないはず。でも元画像(700万画素)の一部を切り取って見比べると、確かに片方はブレてるでしょ。
画素数が多いとブレも一緒に記録されやすいのだ。だから撮った画像を拡大してみたり等倍サイズでチェックする人は「高画素デジカメに買い換えたら手ブレするようになった」と思ってるかもしれない。そこは神経質にならなくていい。もしWebで使うとか、拡大して見ない、大きなサイズではプリントしないのなら、このくらい許容範囲なのだ。
画素数が多い方がいいと思ってる人も多いだろうが、1000万画素なんてあると、よけいブレが気になっちゃうので精神衛生上よくないかもしれません。あなおそろしや。
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