昨年後半から各社が積極的に製品を展開するノイズキャンセリング(NC)ヘッドフォンにまたひとつ新製品、日本ビクターの「HP-NCX77」が登場した。同社からは2006年末に「HP-NC80」(レビュー)というオンイヤータイプの製品が登場しているが、本製品はカナル型イヤフォンを採用し、より軽快に利用できるタイプとなっている。
本製品はアクティブノイズキャンセリングを行うNCユニットとカナル型イヤフォンを別構成としており、ソニーの「MDR-NC22」(レビュー)と同様の構成になっている。ノイズキャンセリングの方式は一般的な逆位相型で、ハウジングに内蔵されたマイクから外部のノイズを集音し、逆位相の波形を生成、ぶつけることでノイズを低減する。
NCユニットは単四形乾電池1本で駆動し、約70時間の利用が可能(アルカリ乾電池使用時)。電源オフ時(乾電池が入っていなくとも)でも利用できる。入力端子は3.5ミリステレオミニで、プラグが刺さっていない状態でもノイズキャンセル機能は有効なため、純粋なノイズキャンセル装置として利用することもできる。
用意されているスイッチは電源オン/オフとボリューム、ミュートの3種類とシンプルだが、NCユニットのサイズは40(幅)×85(高さ)×17(厚さ)とやや大柄。iPod nanoと比較すると幅はほぼ同じで高さは短いが、厚さ(iPod nanoの厚さは6.9ミリ)が決定的に異なるため、iPod nanoよりも大きく見えてしまう。
なお、HP-NC80は飛行機などでの騒音低減に適した「ワイドモード」、地下鉄など低音の騒音低減に適した「ローモード」と2つのモードを備えているが、本製品はこうしたモード切りかえ機能を持っていない。
インナーイヤー型のイヤフォンは、ハウジングに対してイヤーピースが斜めに装着されており、ソニーの「MDR-EX90SL/85SL」にも似た雰囲気を持っている。シリコン製のイヤーピースがS/M/Lの3サイズ付属するのは珍しくないが、本製品ではさらに低反発素材を利用したイヤーピースも付属する。
シリコン製のMサイズイヤーピースが装着された出荷時の状態で装着してみたところ、普段はソニーの「MDR-EX85SL」(イヤーピースはMサイズを装着)を使っている筆者には違和感なく利用できた。密着感も適切に感じられ、遮音性も高い。
低反発素材のイヤーピースも利用してみたが、筆者の耳穴にはややサイズが小さいようで、外れやすかった。装着感そのものはシリコン製よりもソフトで、耳の中で“ガサガサ”する感じもかなり低減されているので、耳穴にフィットするならばこちらのイヤーピースを利用するのも良いだろう。
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