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小さな本格派、画質重視の20V型“REGZA”「20C2000」(2/3 ページ)

» 2007年02月09日 03時01分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 本機はワイドXGA解像度の20インチIPSパネルを使用している。フルHDではないのか? という問いもあるだろうが、20インチクラスで明るさと色味を重視するなら、このぐらいの解像度の方が良い面もある。縮小表示となるため、デジタル放送特有のノイズ感が緩和されるからだ。くわえてこのサイズならば、ワイドXGAでも十分に高い精細感がある。

 試用機は小型パネルらしく輝度ムラが少なく、画面サイズの小ささもあって情報が“ギュッ”と凝縮された印象だ。同等サイズの製品にはハーフデコード機もある中(このぐらいのサイズではハーフデコードでも、さほど悪くなく見えてしまう)、贅沢な映像回路を持つが故の画質といえる。

photo 側面にもAV入力端子を持つ

 絵作りは明るさよりも彩度やメリハリを重視した「あざやか」モード、「標準」モード、明るめの部屋で映画を楽しむ「映画」モード、よりマニアックに階調性を重視した「ビデオプロ」と「映画プロ」など、ほかのREGZAシリーズと基本的に同じだ。ただし、標準モード時は若干、ほかのREGZA 2000シリーズ(現行機種)よりもコントラストが強めに感じられる。ところが液晶パネルそのもののコントラスト比は、他サイズとほとんど同じとのことだ。

 東芝に問い合わせたところ、メタブレイン・プロの機能のうち、ダイナミックガンマの効きをやや強めたために、コントラスト感が上がっているのだという。ダイナミックガンマの設定は「切」以外に「弱」「中」「強」という設定があるが、見たところ、このうち標準モードなどで使われる「中」が、若干「強」寄りのチューニングになっているようだ。

 なぜ、このような違いがあるのかはわからないが、標準モードのデフォルトはメリハリがある反面、若干ながら髪の毛や黒い服、あるいは白ピーク近辺の階調が失われるよう感じられた。映像全体を眺めた場合にはさほど気にならないよう自動調整されるのがダイナミックガンマの良さだが、より滑らかな階調特性を得たいのであれば、標準モードでのダイナミックガンマを「弱」に設定することを推奨したい。

 また、購入したら是非、試して欲しいのが「映画プロ」モードだ。部屋の照明を落とし気味にした上で映画プロに画質モードを変更し、DVDなど市販の映画ソフトを再生させると自然な風合いの映像が楽しめる。試聴機は全黒時の色付きが少なく、非常に安定した色合いが引き出されていた。小型の液晶テレビで、これほどしっかりと作り込まれた映像を楽しめる製品はほかにはない。

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