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“ソニー対キヤノン”の軍配は? HDVカメラの最新2機種を比較する(前編)HDVカメラレビュー「HDR-HC7」vs.「iVIS HV20」(2/3 ページ)

» 2007年02月21日 10時44分 公開
[浅井研二,ITmedia]

違うのはカタチだけじゃない、新機能も満載の「iVIS HV20」

 キヤノンの「iVIS HV20」には、「iVIS HV10」の成功を受けて、ここぞとばかりに、さらに購入層を拡大しようという意気込みが感じられる。つまり、これまで「HDR-HC3」と「iVIS HV10」を比較して、(特に本体のスタイルの違いから)前者のほうを選んでいたユーザーまで取り込みたいという姿勢だ。

photo キヤノン「iVIS HV20」

 本体サイズは約幅88×高さ80×奥行き138ミリで、本体質量が約535グラム、付属バッテリを使用した際の撮影時質量が約615グラムと、「HDR-HC7」と非常に似通っている。もちろん、同時期に発売される製品に照準を合わせられるはずはなく、“仮に”同程度のサイズ・質量を目指して開発されたものとしたら、その対象は「HDR-HC3」に違いない。

 また、「iVIS HV10」では数少ない不満点として挙げたHDMI端子も、今回は装備してきた。さらに、同様に省略されていたマイク端子、ヘッドフォン端子、アドバンストアクセサリーシューも装備ずみだ。これらにより、拡張性は格段に高まったといえるだろう。

 撮像素子は従来と同じく1/2.7型CMOSセンサーで、総画素数は約296万画素、16:9映像撮影時の有効画素数は動画・静止画とも207万画素と、解像度も変わらない。ただし、感度は向上させており、最低被写体照度3ルクスの高感度撮影を実現しているという(オートスローシャッターON時、シャッタースピード1/30秒。ちなみにHV10では5ルクス)。

 また、録画規格の設定は「HDV」「DV(ワイド)」「DV(ノーマル)に、新たに「HDV(PF24)」が追加された。つまり、毎秒24コマのプログレッシブフレームで撮影を行える。ただし、“HDV 720p”で記録するわけではなく、あくまでもCMOSから1920×1080/24pで読み出したデータをプルダウンし、テープに1440×1080/60iとして記録するというものだ。

 これに合わせて、応用撮影には「シネマモード」(動画撮影時のみ有効)が用意され、「HDV(PF24)」と併用すれば、映画の色調やモーションに近い仕上がりとなる。また、デジタルエフェクトの「セピア」と組み合わせてみるのも面白いかもしれない(この点は試してはいないので、実際の仕上がりがどうなるかはわからないが……)。

 そのほかの部分には違いはほぼなく、「iVIS HV10」と概ね同様の構成といっていいだろう。本体スタイルが変わったので、モニターの大型化なども少し期待したが、2.7型ワイド液晶(約21万画素)、液晶ビューファインダーも0.27型(約12.3万画素)は、ともに「iVIS HV10」と同様。それどころか、「HDR-HC7」ともほぼ同じということになる。

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