奥行きのある“リアルな音場感”――高品質ブックシェルフ「ヤマハ Soavo-2」レビュー(1/2 ページ)

ヤマハがブックシェルフ型のピュアオーディオ用スピーカー「Soavo-2」を発売した。Soavo-1で感じられた音楽性がさらに高まり、強い主張で“新しいヤマハ”の音を体現。高品質の2ウェイブックシェルフとして輝きを放つスピーカーに仕上がっている。

» 2007年03月01日 00時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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 昨年、ピュアオーディオ用スピーカーとして新たなビジネスブランド「Soavo」を立ち上げたヤマハが、シリーズトップモデルのSoavo-1に続いてブックシェルフ型の「Soavo-2」を発売した。

 Soavo-1でも、その高い音楽性に“新しいヤマハ”の息吹を感じることができたが、Soavo-2はさらに強い主張でヤマハの音を体現したスピーカーに仕上がっている。昨年来、かつてのオーディオ世代とも重なる団塊の世代をターゲットにした、新しい2チャンネルオーディオ製品が多数発表されているが、その中にあってヤマハはかつて得意としていたスピーカーの分野で、その輝きを取り戻しつつあるようだ。

photophoto “Soavo(ソアヴォ)”シリーズ待望のブックシェルフ型 Hi-Fiオーディオ用スピーカーシステム「Soavo-2」。カラーはブラウンバーチ(左)とナチュラルバーチ(右)の2色。希望小売価格12万6000円(1台/税込み)

 外観を見ると、トールボーイ型3ウェイスピーカーのSoavo-1の上部のみを切り出したようなデザインに見えるSoavo-2だが、実際にはデザイン上のアクセントになっている前面の面取り部など微妙なディメンジョンが変化しており、Soavo-1とはまた違ったバランスに仕上げられている。

 その理由は3センチアルミドームツィータの下部に配置されたユニットの直径が、13センチから16センチに変わっているためだ。2ウェイブックシェルフ型のSoavo-2では、この16センチユニットがミッドウーファーとして使われる。

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 パッと見にはSoavo-1のウーファーユニットとツイーターユニットを組み合わせたように見えるSoavo-2だが、ミッドウーファーはSoavo-2専用に新しく設計されたもので、Soavo-2の根幹を成すパーツになっている。

こだわりの“非・防磁仕様”

photo 別売りのスピーカースタンド「SPS-900」。希望小売価格4万2000円(1セット/税込み)

 そのコーンは内部損失が大きく歪み感の少ない、ヤマハ独自のAdvanced PMD素材を用いているのは同じだが、センターキャップに向けて曲線を描き、さらに厚みも変化させている。こうすることでコーンの分割振動を制御し、歪み感と再生帯域のバランスを取っている。

 加えてミッドウーファーユニットは、防磁仕様に“なっていない”。すなわち、ブラウン管ディスプレイと並べることを考慮しない設計だ(Soavo-1はAV用途も考慮され、防磁シールドを装備したユニット設計を採用している)。

 防磁仕様のユニットを設計するには、ユニットを駆動するマグネットの周囲に磁力線を封鎖するシールドを配さなければならない。このため、マグネットのサイズに制限が出てしまうデメリットがある。加えてシールドによって磁気回路全体にも影響がおよび、シールド自身の“鳴き”の問題を引き起こす。

 Soavo-2はピュアオーディオユーザーに向け、最高の音質を実現するために防磁仕様を撤廃し、その代わりにSoavo-1のウーファーを超える強力な大型マグネットを採用。シールドレス設計による応答性と追従性の高いミッドウーファーを採用したのである。

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提供:ヤマハエレクトロニクスマーケティング株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日