TZ1からTZ3にいたる最大の変更点はレンズだろう。レンズは光学10倍ライカDC VARIO-ELMARITレンズから、光学10倍ライカDC VARIO-ELMARレンズに変更された。TZ1は光学10倍ズームをコンパクトなボディに搭載した影響か、35ミリスタートのレンズだったが、TZ3になっていよいよ28ミリスタートのレンズを搭載してきた。
広角レンズ搭載の影響だろう、見るからにレンズは大型化しており、より一層レンズの存在感が増した。また、TZ1では起動時にワイド端でレンズがせり出さないのが特徴だったが、TZ3ではワイド端からレンズがせり出すようになった。そのため、起動時はレンズが繰り出すまで待つ必要がある。
ただ、TZ1では必要だったレンズキャップが、レンズバリアを搭載したことで不要になったのはうれしい変更点だ。これで一層手軽に使えるようになった。
TZ1は「旅カメラ」の愛称で訴求を図っていたが、35ミリスタートのレンズとレンズキャップの存在がちょっとネックになっていたと思う。カメラとしての魅力や便利さを考えると、やはり28ミリの広角レンズを搭載したことは素直に喜びたいところだ。
レンズの開放F値はF3.3〜F4.9。TZ1のようにワイド端がF2.8だとよかったが、それでもこのコンパクトサイズに28ミリからの光学10倍ズームを搭載しているのだからかなり健闘したといえるだろう。もちろん、シリーズお得意の光学式手ブレ補正も搭載している。
機能的にもいろいろ変更されている。大きなポイントは「インテリジェントISO感度」だ。昨年からLUMIXシリーズに取り入れられている機能で、被写体の動きに応じてカメラ側がダイナミックにISO感度を変更してくれる、というもの。
多くのカメラは「ISO感度オート」で自動的にISO感度が上がる。シャッタースピードが遅くなると自動的にISO感度が上がって、手ブレ/被写体ブレしないようにするが、これだと被写体が動いていなくても(つまり被写体ブレが起きないような場面でも)感度が上がってしまう。
インテリジェントISO感度の場合、被写体が動いていなければISO感度の上昇を抑え、光学式手ブレ補正だけでブレを防ごうとする。一般的にはISO感度が高くなると画質が犠牲になるので、これは有効な機能だと思う。
インテリジェントISO感度を利用してもISO感度はISO800とかISO1250とかまで増感されるのだが、カメラが被写体の動きを検出しなければISO感度は低いままで撮影される。普段からこのモードで撮影してもいいぐらいだ。
昨年のモデルと異なるのは、インテリジェントISO感度がモードダイヤルに配置された点。今まではISO感度の設定からインテリジェントISO感度を設定していたが、新たにモードダイヤルから設定できるようになったことで、より手軽に利用できるようになった。
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