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HDムービーカメラ「GZ-HD7」「DMX-HD2」2機種を試す(前編)レビュー:日常を撮るならカジュアル派、それとも本格派?(3/3 ページ)

» 2007年04月11日 11時51分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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高精細ムービーをカジュアルに。HDMIテレビ接続も対応の“Xacti”「DMX-HD2」

「DMX-HD2」は、1280×720・30fpsの動画撮影(ISO標準MPEG-4規格準拠)を実現した「DMX-HD1(A)」の性能を継承しつつ、CCD(1/2.5型)を約738万画素へと向上。さらに、ハイビジョン対応テレビとの親和性が高いHDMI端子も搭載した。ただし、HDMI端子は本体ではなく、従来のコンポーネント映像出力(D2/D4)とともに、ドッキングステーションへ装備されている。

photo レンズは光学10倍ズームに対応。フラッシュはボタンを押せばポップアップする。レンズカバーは内蔵しておらず、付属のレンズキャップを利用しなければならない

 本体は側面から見たサイズが80×119ミリで、特に、最大部分でも36ミリという薄さと、235グラム(撮影時)という軽さが魅力的だ。たしかに、このレベルであれば常時携帯する気になる。レンズカバーが内蔵式ではないのは少し残念だが(レンズキャップが付属)。ズームは光学10倍と一般的なビデオカメラと同レベルで、もちろん、動画撮影中のズーム操作も可能だ。

 コンパクトゆえにグリップも容易なのだが、その分、安定して構えるのは少々難しい。手ブレ補正機能も搭載しているが、効きはもうひとつというレベルで、特に最望遠側で撮影する場合はかなり揺れてしまう。また、手ブレ補正は電子式で、利用すると画角が大幅に狭くなってしまうため、広角側で撮る際にもあまり使いたくない印象だ。とはいえ、このカメラと三脚を一緒に持ち歩くのはあまり現実的ではないと思われる。ならばどこかに置いて撮りたくなるが、見てわかるとおり、自立してくれる形状ではない。「ボ撮ルンです」などの併用を考えたほうがいいのだろう。

photo 最初の起動時のみ電源スイッチの操作が必要だが、あとは液晶モニターの開閉とパワーセーブ状態が連動してくれる

 電源スイッチは液晶モニターを開いた部分にある。起動するためにはこれを1秒以上押さなければならず、さらに撮影可能になるまでに3秒程度必要だが、いったん起動してしまえば、モニターを閉じればパワーセーブ状態(電力はほぼ消費しない)になり、開けば復帰する仕組みなので、特に問題はない。

 ほかに必要なボタンはほとんどが本体手前に配置されている。撮影/再生モードはスイッチで切り替え、あとは動画撮影ボタン、あるいは静止画撮影ボタンのいずれかを利用すればいい。2つの撮影ボタンは本体手前へ対称に置かれ、その中央にズームスイッチが配置されている。これ以外にはMENUボタンと十字スティック型のSETボタンがある程度で、撮影設定などはメニューを呼び出して変更すればいい。

photo よく使うボタン類はすべて本体手前に配置されている。ズームはゆったりと動作するが、いちおう可変速で、めいっぱい押し込めばW端→T端(あるいはその逆)で2秒程度しかかからない

 スティックはやや固めで、上下左右、押し込みともしっかり入る感覚だが、押し込みが左や下などに誤認識されるケースも多かった。また、ノーマル/HDの撮影モード切替、HIGH SENSITIVITY(高感度)は本体側面に専用ボタンが用意されているほか、フォーカスロック/フォーカスレンジ変更/露出補正などについては、十字スティックの上下左右に割り当てられているので、ワンタッチで利用可能だ。

 このように、操作感覚に関しては、通常のビデオカメラとなんら変わりはない。最高品質のHD-SHQモードで1時間程度の撮影を行うには、約4Gバイトの容量が必要となるが、最近は4Gバイトのメモリカード(SDHC)でも1万円台で入手可能である。ちなみに、カード上の記録容量が残り30秒を切ると、モニター上の記録時間の下に赤字でカウントダウンが表示される。

 ただ、この種の製品で気になるのは、バッテリでの動作時間かもしれない。実測してみたところ、15分間の撮影を繰り返し行った場合で、約72分まで記録可能だった。電池残量が明確に把握しづらいのは難点だが、動作時間はビデオカメラ製品と比較しても平均的な数値であり、十分に合格点をあげられるだろう。「GZ-HD7」も同様に計測してみたが(液晶モニター使用)、やはり80分程度という結果だった。

photo 2.2型液晶モニター(約15万画素)はワイド画面ではなく、HD撮影時は上下に黒帯がつくため、かなり小さく感じられる。画面の右上に表示されているのはカードに記録可能な残量時間で、撮影中は経過時間に変わる。バッテリ残量は設定画面を呼び出さないと確認できない

HDムービーカメラ「GZ-HD7」「DMX-HD2」2機種を試す(後編)

前回に引き続き、日本ビクターのHDDムービー「Everio GZ-HD7」と、三洋電機のSDムービーカメラ「Xacti DMX-HD2」の2機種を比較する。今回は撮影後の動画の活用手段、および、撮影サンプルを紹介していこう。




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