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れこめんどDVD:「Little BRITAIN/リトル・ブリテン ファースト・シリーズ Vol.1」DVDレビュー(1/2 ページ)

» 2007年04月13日 08時59分 公開
[龍崎登,ITmedia]

「Little BRITAIN/リトル・ブリテン ファースト・シリーズ Vol.1」

発売日:2007年3月21日
価格:3990円
発売元:キネティック
上映時間:114分(本編)
製作年度:2003年
画面サイズ:ビスタサイズ・スクイーズ
音声(1):ドルビーデジタル/2.0ch/英語

 ジョニー・デップが夢中? エルトン・ジョンがゲスト出演? ケイト・モスが乱入? だからどーした! イギリス発、グロカワイイとんでもキャラたちで自らの国を笑い飛ばすUKコメディの傑作が、ついに日本上陸! 日本では地上波ギリギリアウトの過激キャラたちを国営放送BBCで流すイギリスってやっぱり偉大!?

 ジョニー・デップといえば、今や誰もが認めるハリウッドのトップスター。出演作を慎重に選ぶと言われるその彼が絶賛し、自ら出演を望んだドラマがイギリスにあるという。でも、それはあっさり断られたという。

 ジョニー・デップは出演しなくとも、イギリスでは「ハリー・ポッター」を越すDVD歴代1位の180万セットをセールスし、2006年国際エミー賞を受賞。今や本国イギリスはおろか世界を席巻するUKコメディの傑作、その名も「リトル・ブリテン」。

あのジョニー・デップの出演を拒否した「リトル・ブリテン」とは

 UKコメディの傑作と聞いて「モンティ・パイソン」を真っ先に思い出した人。確かにそうかもしれないが、今や「UKコメディ」「傑作」とヤフーで検索すれば、この「リトル・ブリテン」のほうが先に出てくるぐらいだ。

 腹を抱えてゲラゲラ笑うハリウッドコメディとは違い、そのユーモアにクスリと笑わせられるのがUKコメディ。頭を空っぽにして観るのではなく、頭の中で自ら知的作業を行うことで生まれる笑い(それがインテリジェンスにもつながるのだが)のほうが病みつきになるという人も多いだろう。ではこの「モンティ・パイソン」の再来と言われる「リトル・ブリテン」とはいかなる作品なのか?

 タイトルの「Little BRITAIN」とは、かつての大英帝国「GREAT BRITAIN」のセルフパロディ。自国を皮肉ったタイトルに始まり、それに続くナレーションもまた痛烈だ。

 「ああ〜 英国よ英国よ英国よ。フィッシュ&チップスの国。庭いじりと人種差別の国。英国人とはいかなる民か?その生態を日常生活から分析せん。その行動原理やいかに?」

 大それた音楽とユニオンジャックの旗がゆらめく映像にかぶせられる気高きナレーション。この冒頭(毎回変わる)からして、イギリスのブラック・ユーモアがプンプン漂い、これから始まるエピソードを盛り上げる。

なぜか憎めない強烈キャラのオンパレード

 そして「いかなる民か?」に始まり出てくるキャラクターがまた強烈で作品の一番の見所だ。構成としては1話30分のショートコント形式で、イギリスに住む変わった人たちの生態を描き出す。ではそのキャラの一部を紹介しよう。

 まず、世界で最も説得力のない女装マニアの男「エミリー」

 周りに自分を女性だと思わせようと努力するが、ヒゲが濃かったり、立ち小便をしたり、車を修理したりで毎回女としての説得力に欠ける。ただ他人の女装にはなぜか異常に嫉妬する。あのジョニー・デップもこのキャラの友人として登場したいと願ったらしい。

 続いて、炭鉱村で唯一のゲイ「ダフィド」

 英国の一部“らしい”ウェールズで自分が唯一のゲイだと公言するも、誰にも理解されないと思っている。そのお腹はダボー、ピチピチのTシャツに短パン姿で“唯一”であることをいつも愚痴るが、村にゲイを発見するとあの手この手で追い出そうとする。今流行の“キモカワイイ”からカワイイをとったような風貌。

 作品の中でも一番人気と言われるのがコギャル風の女子高生「ヴィッキー」

 更正施設に入れられており、悪事を指摘されると、理解不能な言い訳をまくし立てる。“No But,Yeah But”(てゆーか、っつーか)が口癖。この言い訳がヒステリックにわめくのではなく、淡々とゴタクを並べるからまたイラッとさせる。

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