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「i-bean」で“どこでもテレビ”してみたレビュー(2/2 ページ)

» 2007年04月26日 18時28分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 レンズ口径の大型化によって、見え方も変化している。前作は14インチ相当のディスプレイが1メートル先に浮かんで見えるように設定されていたが、本製品では同距離に21インチ相当の画面が浮かび上がるように変更されている。まずはディスプレイモジュールにどのような映像が映し出されるか、モジュールを手に持って撮影した写真を見てほしい。

photophoto テレビ放送なので画面にモザイクをかけているが、電波状態さえ良好なら想像よりも鮮明な映像が楽しめる。ただし、アナログテレビチューナーなので鮮明な映像を得るのはかなり困難だ。撮影時はジーフォースのワンセグチューナー「G-WWT-1201B」(レビュー)を接続した

 LCDはデジカメのファインダーに利用されるものをベースにしているが、全体的に画面が暗く、表示色数が少ないのか色彩も平坦。一昔前のポータブル液晶テレビを連想させる映像だ。ただ、本製品は「映像情報を携帯する」「外出時に映像情報を得る」ためのデバイスとしてデザインされているため、昨今の液晶テレビを基準にした画質を求めるのはナンセンスなのかもしれない。「情報を得る」という意味では十分な実用性を備えている。

 それではいよいよ装着してみる。「視線よりやや低めに設置した方が見やすい」というマニュアルの記載通りに位置と角度を調整すると、浮かび上がる映像は視野をすべて覆うと言うよりも、視野の左下に浮かび上がるという方が適切な印象を与えてくる。映像を見たいときには意図的に左下へ視線を送るようにすると焦点があう。反対に、正面を見ればHMDに焦点が合わなくなる。没入感はないが、確かに情報を得るにはこの方が適切だ。

photophotophoto 装着してデスクワーク。HDMに焦点を合わせたときは、こんな感じに見える(中)、逆に正面に焦点を合わせると、HMD側の映像がぼやけて見える(右 いずれもイメージ図)

 本体に内蔵されているのはアナログテレビチューナーのため、室内での視聴は正直なところかなり厳しい。ヘッドフォンケーブルがアンテナを兼ねているので、伸ばして感度を上げるのも限界がある。

 幸いなことにAV入力が用意されており、室内での利用に際してはDVDプレーヤーなどを接続するのがベターだろう。チューナーはUHFの64CHまで受信できるので、車載用などに販売されている映像トランスミッターを組み合わせてみるのもいいだろう。最初は戸惑うが、視線をわずかに動かすだけでの「ながら見」は慣れるとなかなか快適だ。

 ながら見デバイスとしてはかなりユニークかつ実用性もある本製品だが、やはりテレビがアナログだけというのはどうにもさみしい。コストの問題からワンセグチューナーの搭載は見送られたということだが、これだけトンガった製品ならば購入者層も限られているはずで、個人的な感想だが、売価の5000円アップ程度で済むとするならば、ワンセグチューナーを搭載していた方がより製品の魅力をアピールできたと思う。その辺は次回作へのリクエストにさせてもらおう。

photo 屋外なら結構アナログでも受信できる。遠目にはちょっとヘンなメガネをしている人にしか見えない(と思う)
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