――ライブビューの状態でレリーズボタンを押すと、半押しの状態がなく、一気にAFが作動してシャッターが切れます。同じく撮像素子によるライブビュー機能を持つ松下電器産業「DMC-L1」の動作とは異なりますね。
石橋氏: この点は、設計思想の違いです。我々としてはレリーズボタンを触っただけでミラーがぱたぱた動くと、シャッターが切れたと勘違いするのではないかと思います。また耐久的にも好ましくないと考えます。そこで、AFLボタンによるAF作動と、レリーズボタンによるAF作動を使い分けられるようにしました。ただ将来的には、よりよい他の方式も考えていきたいと思います。
――E-330のAモードにあたる専用センサーによるライブビューは、このボディサイズで難しいのは仕方ありません。ただ、液晶モニタが可動式にすれば、ライブビューの利点がより生きたのではないでしょうか。そういった検討はありましたか?
石橋氏: 最小最軽量を目指したE-410に関してはありませんが、E-510については液晶を可動させるか否かの議論がありました。しかしスイバル式の液晶にすると、さらに厚みが5ミリ程度増し、デザインなどのバランスが崩れます。アングルの自由度は液晶の広視野角によって対応することにして、スイバルについては今回は見送りました。E-410/E-510の液晶は、上下左右ともに176度の視野角があります。
――ダストリダクションとライブビューは御社のデジタル一眼レフのキーといえる重要な機能です。E-330の発売から1年ちょっと経ちますが、ライブビューに対する市場の反応や評価はいかがでしょうか。十分に認知されていますか?
名田氏: 2003年発売の「E-1」以降、当初はまったく知られていなかったダストリダクションの重要性を、当社として力強く訴え続けてきました。そして、最近になってようやく認知度が上がり、他社さんも採用するようになりました。これからはダストリダクションが必須の機能になるでしょう。
ライブビューは当社は昨年のE-330で実現し、最近は他社でも対応製品が登場し始めています。ライブビューについても、今後は標準機能になっていく気がしています。ただライブビューの有用性や活用法は、写真好きのお客様にはよく理解していただいていますが、一般ユーザーの間ではまだクエスチョンマークが付きます。現状では、我々のコミュニケーションが不足している面があります。
――今回試用したE-410に限らず、個人的に購入したE-500やE-330でも撮像素子のゴミが気になったことはありません。他社製品では効果が不十分なものもありますが、御社のダストリダクションの優位性は何でしょうか?
名田氏: 当社のSSWFはいくつかの特徴があります。ひとつは、SSWFを可動部とは切り離し、SSWFから撮像素子の受光面までを完全に密閉構造にしていることです。これによってゴミやホコリの侵入を防止します。もうひとつは、SSWFの表面から焦点面までの間に一定の距離を取っていることです。仮にゴミが付着しても、小さいゴミはぼけてしまうため、絵に与える影響はまったくありません。この点は、他社のマウントでは難しく、フォーサーズならではの利点といえます。
大きいゴミについてはSSWFに超音波領域の振動を発生させて、振るい落とします。そして、落としたゴミはSSWFの下部にある粘着材でしっかりと保持ます。同じような仕組みを採用している他社製品もありますが、振動のパワーに差があるため、当社で行ったテストでは歴然とした効果の違いを確認しています。
今のところ、多くのメディアではダストリダクションの有無だけで○×を付けてカメラを評価していますが、海外の一部のメディアでは、複数の機種のダストリダクションを実際にテストして、その効果を評価しているものもあります。当社としては、そうした記事が増えることは歓迎します。
――Eシステムのキャッチコピーとして「GO FIND YOUR WONDERS(外へ出よう)」と掲げていますが、その意味は?
名田氏: いいカメラを持ち歩き、いいシーンを確実に撮れるようにして下さい、というメッセージを込めています。特にE-410は気楽に持ち運べるコンパクトボディです。今までのようにデジタル一眼レフ機を使うための、気合いや覚悟は要りません。それでいてコンパクト機にはない、一眼レフ機ならではの画質やレスポンスのよさを味わえます。ユーザーの皆様がカメラを持って外に出て、自分なりの発見を見つけ、それを映像に残していただきたいと願っています。
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