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独自の3層撮像素子を採用したデジタル一眼レフ――シグマ「SD14」レビュー(2/5 ページ)

» 2007年05月07日 18時40分 公開
[市原達也,ITmedia]

 フラッシュが内蔵されたのも大きなポイントだ。これでやや暗い場所や逆光でも気軽に撮影できる。フラッシュの性能も他社製品と遜色なく、一般的な撮影条件なら色や露出もオートで違和感のない写真が撮影できるだろう。

photo 17ミリ(35ミリフィルム換算で28ミリ)に対応した内蔵ストロボを装備した。ガイドナンバーは11で、ファームウェアをVer.1.01にバージョンアップすると絞り優先モード時にスローシンクロ撮影が可能となる
photo 外部ストロボ用シンクロ端子が装備された。上からシンクロ端子、USB端子、ビデオ出力、外部電源入力、ケーブルレリーズ端子となっている。ケーブルレリーズは別売りで用意されているほか、ワイヤレスリモコンも別売りで用意されている

 AFポイントはこれまでの中央1点から上下左右の5点測距方式になった。こちらも一般的なスペックになったという感じだが、フォーカスポイントをオートにしても、自分の思った場所にほぼフォーカスをあわせてくれるので、他社と比べても同等以上の性能だといえる。フォーカスあわせの時間は使用するレンズにもよるが、概ね良好だ。特に超音波モーターを搭載したレンズであれば、たいていの撮影で問題はないだろう。今回のテストでは飛んでいる鳥を撮影してみたが、ゆっくり飛んでいれば画面いっぱいにしてもフォーカスをあわせることができた。

 フォーカシングでもうひとつ注目なのがファインダーだ。SD10では「スポーツファインダー」という撮影範囲の外も見えるようなファインダーが採用されていた。高速で動く被写体を追う場合などには便利だったが、撮影する部分が小さく見えるため、微妙なピントを見る場合などには適していなかった。SD14ではスポーツファインダーを廃止して通常のファインダーとなった。大きく明るいファインダーで、APSサイズの撮像素子を搭載した他社のデジタル一眼レフカメラと比べてもかなり明るいほうである。コントラストが高く、マニュアルフォーカス時でもピントの山が分かりやすかった。

 背面の液晶モニターは2.5インチの約15万画素タイプを搭載している。画像再生時はもう少し高画素だとより画像が分かりやすいかと思うこともあったが、画像を確認するには問題ない。

 撮影モードは「プログラム」「絞り優先」「シャッター速度優先」「マニュアル」の4種類で、シーンモードは搭載されていない。価格帯や対象ユーザーを考えればシーンモードにそれほど必要性を感じないが、SD14は独特の画質のカメラなので、フィルムを選ぶように画質を変えるモードがあっても面白いかったかもしれない。

 機能的に気になったのは連写性能だ。最高解像度のRAWモードでは6枚でバッファがいっぱいとなってしまう。連写をする用途でなければ特に気になることではないが、連写を多用する人にとっては気になるだろう。この件についてシグマでは現状で積めるだけのバッファを搭載しているとのことだ。デジタル一眼レフカメラとしては最大クラスのメモリが搭載されているらしい。

 SD14の画素数は1406万画素と扱うデータ量が多いため、仕方ない部分もあるようだ。SD10では高速読み書きのCFカードを使っても遅いCFカードと書き込み時間はあまり変わらなかったが、SD14では高速なCFカードほど書き込み時間が速くなるそうなので、連写を多用する人は高速書き込みタイプのCFカードを使うとよいだろう。

 撮影感度はISO100〜800相当となる。ISO800相当まで感度を上げると、解像度が落ちたような画像になる。高速シャッターを望む場合や暗い場所での手持ち撮影以外は、このカメラの画質を生かすためにはISO100〜400相当で使うことが望ましい。

photophoto 左上から順番にISO100、ISO200、ISO400、ISO800で撮影したもの。ISO800相当になると背景の青い部分もざらついた感じとなり、造花の種の部分もぼやけているのが分かる
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