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» 2007年05月10日 08時00分 UPDATE

デジモノ家電を読み解くキーワード:MPEG-4(4)―― MPEG-4とコーデックの関係

MPEG-4コンテナの要件を満たすファイルが「MP4」だが、世の中には“映像部分だけMPEG-4”なAVIファイルが流通している。今回は、MPEG-4とコーデックの関係をふまえつつ、そのようなAVIファイルとの違いを説明してみよう。

[海上忍,ITmedia]

 MPEG-4コンテナとしての要件を満たすものが「MP4ファイル」だが、その中に収める映像や音声のフォーマットはさまざま。映像規格を例にすると、ISO 14496-2 ASP(Advanced Simple Profile)準拠のビデオコーデックには、DivX5やXvid、ffmpegなどがある。音声はAAC(Advanced Audio Coding)としてISO 14496-3で規格化、対応するソフトにはQuickTime/iTunesやFAACが挙げられる。たとえば、映像をDivX5、音声をAACでエンコードしたファイルをMPEG-4コンテナに格納すれば、ISO-MPEG4 ASPに準拠したMP4ファイルの一丁上がりだ。

photo MPEG-4とAVIでは、素材(コーデック)は同じでも"レシピ"が異なる

 しかし、世の中には“映像部分だけISO MPEG-4 ASP準拠”のムービーファイルが流通している。これだけで判断することはできないが、拡張子が「.AVI」のファイル(以下AVIファイル)はその可能性が高い。動画はISO MPEG-4 ASP準拠のDivX5だが音声はMP3、同じく準拠のXvidだが音声はWAV、といったムービーファイルは、たとえ拡張子が「.MP4」だとしてもMP4ファイルではない。音声がAACだとしても、MPEG-4コンテナとしての要件を満たしていなければMP4ファイルにはならない。むしろ、ビデオコーデックがDivXやXvidのムービーは、AVIファイルが一般的だ。

 なぜこのようなAVIファイルが普及しているかというと、作成者側に好都合なことが多いからにほかならない。ファイルフォーマットとしてのAVIの特徴の1つには、ファイル先頭に置かれる4文字の情報「FourCC」(下表参照)で使用するコーデックを指定することがある。映像と音声の同期を保つなどの仕組みがない反面、プロファイルにとらわれず映像/音声の条件をある程度自由に決定できるのだ。プレーヤーソフト/コーデックのインストールにより再生環境を整備できるPCの場合、AVIが好まれる理由はこの自由度の高さにあるといえる。

MPEG-4系コーデックに採用されているFourCCの例

FourCC 対応するコーデック
DIVX DivX MPEG-4 v4
DX50 DivX MPEG-4 v5
MPG4 MS-MPEG4 v1
MP42 MS-MPEG4 v2
MP43 MS-MPEG4 v3
mp4v Apple MPEG-4/ISO MPEG-4
VP31 On2VP3
XVID Xvid MPEG-4

 再生環境がハードウェアの場合、PCのように気安くプレーヤーソフト/コーデックを入れ替えることはできないが、現実のところMPEG-4対応をうたうハードウェアの多くはAVIファイルの再生にも対応している。iPodやPSPのようにファイル形式が厳しく定められている機器はさておき、ムービー再生機能付きHDDケースなどMPEG-4対応ハードウェアを選ぶ場合には、再生可能なコーデックの種類を重視するほうが現実的だ。

執筆者プロフィール:海上忍(うなかみ しのぶ)

ITコラムニスト。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「デジタル家電のしくみとポイント 2」、「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(いずれも技術評論社刊)など。


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