iVDRコンソーシアムは5月17日、「iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアム2007」を開催。リムーバブルHDDの規格である「iVDR」の現状と今後の展開が語られた。
iVDR(Information Versatile Disk for Removable usage)は、日立製作所や三洋電機、シャープなどが中心になって規格化したリムーバブルHDDだ。現在、コンテンツの著作権保護技術“SAFIA”を備えた「iVDR-Secure」が、D-pa(地上デジタル放送推進協会)およびBPA(BSデジタル放送推進協会)の認可を受けたことにより、薄型テレビ“Wooo”の最新モデル「01シリーズ」に導入されている。
iVDRは3年前からPC用の外付けHDDとしては実用されていたが、今後は家庭向けAV用途を中心とした大容量メディアとしての進化を目指す。リムーバブルな特徴をいかし、PC、テレビ、オーディオ、車載などの共通インタフェースとして展開していく計画だ。iVDRコンソーシアム代表の日置敏昭氏は、現在は160Gバイトが上限であるiVDRの容量も、3年後の2010年には500Gバイトにまでアップすると予測。それに伴って容量あたりの単価も低下するという。
コンテンツ保護技術「SAFIA」については、AES-128による暗号化に加え、PKIベースの双方向認証と転送プロトコルで、証明書なしにはコンテンツの暗号鍵すら見れないセキュアなシステムを採用している。
壇上には“ハイビジョン・ラバー”の麻倉氏も登場した。エアチェック愛好家としても知られる麻倉氏は、エアチェックの目的を「コンテンツを自分のモノにすること」と看破する。コンテンツを録画し“手で触れられる”形にすることで所有する実感を得られるというのだ。
「HDDレコーダーは確かにエアチェックマシンとして利便性は高いが、コンテンツを自分のモノにしたという実感がわかない」
全時間/全チャンネルをくまなくチェックできる「全録」が可能な大容量性、ランダムアクセスといったHDDの利便性を持ちながら、実際に手にできる「パッケージ」でもあるので所有感も満たされる――麻倉氏はiVDRをその“感動性能”から高く評価する。
ただ、全面的にiVDRを支持するというわけでもない。まずは現在80Gバイトで約2万円という記録メディアとしてはあまりに高額な価格設定を解消していき、HDDレコーダーなどの内蔵HDDとの差別化を進めていかないと、「価格が高くて容量の少ないHDDに見られてしまう」と危機感を募らせた。
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