インタビュー
» 2007年06月07日 11時04分 UPDATE

インタビュー:iTunes Plusで高音質とDRMフリーが実現したワケ (1/2)

「iTunes Plus」のスタートやワーナーミュージックの楽曲配信など、iTunes Storeが“動いて”いる。その意図は? ソニー・ミュージックの配信はいつ始まる?

[渡邊宏,ITmedia]

 高ビットレート&DRMフリーの「iTunes Plus」のスタートや、ワーナーミュージック・ジャパンの楽曲が配信開始されるなど、アップルのiTunes Storeにまたも大きな動きが見られる。日本でのサービスが開始されて間もなく2年が経過するが、こうした同社の動きは何を意味するのか、来日した米Apple幹部に話を聞いた。

photo 米Appleでミュージック・プログラミング&レーベルリレーション ディレクターを務めるAlex Luke(アレックス・ルーク)氏

Luke氏: まずは日本のiTunes Storeにワーナーミュージック・ジャパンが参加したことを報告させてください。現在、日本のiTunes Storeは400万以上の楽曲、5000以上のミュージックビデオとショートフィルム、10万以上のポッドキャストを提供するまでに至っています。そして、その中には、iTunes Storeのみでしか手に入らないムービーやアートワーク、デジタルブックレットなども含まれています。

 いまは国境を超えたアーティストのレコメンドも積極的に行っています。日本人アーティストの「dj KENTARO」が米iTunes Storeのクラブミュージックチャートのトップ10にランクインしていることをご存じでしたか? このように、積極的にアーティストを紹介していくプラットフォームとしても、iTunes Storeが機能していけばいいと考えています。

――それは「iTunes Store」というストア、ブランドを、タワーレコードやHMVのような位置づけにしたいという意向なのですか?

Luke氏: タワーレコードやHMVといったショップがこれまでにも続けてきた、「新しい音との出会い」を提供したいという意味ではその通りです。加えて、新譜だけではなく、リアルのショップでは埋もれがちな既存楽曲(カタログ)との出会いの場所としても利用してもらえればいいですね。

 国籍の異なる2組のアーティストがそれぞれの楽曲をカバーする「iTunes Foreign Exchange」という企画もスタートさせています。このような、音楽による国境を越えた交流も進めていきたいです。

photo 「iTunes Foreign Exchange」

――最近の大きなトピックとしては、高音質/DRMフリーのiTunes Plusの開始があります。なぜこのサービスをスタートさせることになったのですか? 第1弾はEMIですが、これはEMIとApple、どちらからの働きかけによるものなのでしょう?

Luke氏: スタートした理由は「より高い音質」と「DRMからの開放」、この2つをユーザーが望んだからにほかなりません。実は、EMIとは以前より高音質/DRMフリーでの配信について可能性を探るべく話し合いを続けてきたという経緯があり、どちらからとは言えないですね。

――iTunes PlusはAAC 256Kbpsで配信されますが、このビットレートに決まった理由を教えてください。高音質という要素を強調するならば、Apple Losslessという選択肢もあったように思います。

Luke氏: iTunes Storeで配信される楽曲はiPodをはじめ、MacやApple TVなどさまざまなデバイスで再生されますので、配信に必要なネットワークスピード、ファイルサイズなどを総合的に検討した結果、AACの256Kbpsが適切ではないかという判断を下しました。検討する際に最優先したのは「使いやすさ」で、それを基準に検討した判断は適切なものだと考えています。

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