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iTunes Plusで高音質とDRMフリーが実現したワケインタビュー(2/2 ページ)

» 2007年06月07日 11時04分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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――これまでに購入したDRM付きの楽曲をiTunes Plusの256Kbps/DRMフリーとするサービスも用意されていますが、iTunesのライブラリ全体を対象にアップグレードしかできません。これはなぜでしょう。将来的にはアルバムまたは1曲単位でアップグレードすることは可能になるのでしょうか。

Luke氏: 現在提供しているアップグレードのスタイルとなったのも、「使いやすさ」を基準に検討した結果です。事前に調査も行いましたが、iTunes Plusの楽曲と非iTunes Plusの楽曲を混在させることのニーズはさほど高くない――高音質の楽曲を好む人はライブラリ全部を高音質にしたいと考える比率が高いことが判明しました。iTunes StoreではワンクリックでライブラリをiTunes Plusへアップグレード可能です。このワンクリックによる「使いやすさ」を優先したのです。

――ですが、「お気に入りのアルバムだけを高音質にしたい(iTunes Plusにしたい)」という要望も寄せられるのではないでしょうか。少なくとも、いちユーザーとして私はそう感じているのですが。

Luke氏: フィードバックするべき意見として覚えておきます(笑)。ユーザーにとってベストのエクスペリエンスを提供することがiTunes Storeの目的ですから、真摯に受け止めたいと思います。

――ワーナーミュージック・ジャパンが追加されましたが、日本国内の大手レーベルではSME(ソニー・ミュージックエンタテインメント)の楽曲がまだiTunes Storeに登場していません。レーベル追加のプランはどうなっていますか?

Luke氏: レーベルについては常時追加しているので、期待して欲しいです。まずは各国で人気のあるレーベル、ジャンルから追加していく方針で、ヒットチャートなどには細心の注意を払っています。ゆくゆくはマーケットに存在するすべての楽曲をそろえるべく努力していきます。

――少し意地悪な質問かも知れません。DRMフリーで楽曲を提供することでiPod以外でもiTunes Storeの楽曲を楽しめるようになりますが、それは「iPodのエコシステム」へ悪影響を及ぼしませんか? また、収益の柱をハード(iPod)からサービス(iTunes Store)へ移行するための第一歩という考え方もできそうですが?

Luke氏: まずは後者の質問に答えましょう。収益構造の変化を狙うような意図は含まれていません。ハードとソフトは完全に別物です。

 大切なのは「Apple」として、わたしたちのハード/ソフト/サービスを通じ、どれだけユーザーへ提供するエクスペリエンスを高められるかということです。ハード/ソフト/サービスはクロスすることもあるでしょうし、それぞれ単体かも知れません。それはあまり関係ありません。

 ユーザーにとっての入り口は、ハードでもソフトでもサービスでも構いません。ユーザーへ良質なエクスペリエンスを提供する、その理念だけはブレようがなく、不変なものなのです。

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