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家族の安眠を守る「電撃殺虫器」――あれ?橘十徳の「自腹ですがなにか?」第7回(2/2 ページ)

» 2007年07月10日 10時51分 公開
[橘十徳,ITmedia]
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 殺虫電圧は900ボルト。業務用だと3000ボルトとか4000ボルトくらいの電圧になってくるが、家庭用の電撃殺虫器だとこのくらいが一般的だ。それでも消費電力は2.1ワットとかなり少なく、リモコン付き家電の待機電力程度だ。薬剤式の殺虫器にも勝る省エネぶりである。これなら24時間使用しても家計にはほとんど負担にはならない。とは言っても、明るいところで使うと効果が薄いようなので注意しよう。

 ただし消費電力が少なくても、補虫蛍光管には寿命がある。同機種の交換球は「F-066T」という型番だが、これはだいたい700〜1000円くらいする。交換球の取替目安は約1000時間弱で、1日10時間使うと単純計算で100日。つまり、1シーズンに1個はかかることになる。薬剤を使わない分だけお得な一方で、こういうコストも考える必要があるのだ。

photo 上部のカバーの裏には、補虫蛍光管のソケットがある

 パッケージには「補虫蛍光管の取替が安全かつカンタン、しかも電流が自動的にカットされる安全交換構造」という意味のことが書いてある。低消費電力とはいえ、補虫蛍光管にはかなりの高電圧がかかっているので、分解清掃や取替の際には注意が必要だ。子どもがいる家庭では、絶対に子どもが触れないような場所に置く必要がある。参考有効面積は6畳になっているので、使える範囲としてはけっこう狭い。もっと広い部屋で使いたい場合は、上位機種を買った方がいいだろう。

意外と眩しい青白い光

 実際にスイッチを入れてみると、青白い光がけっこう眩しい。「人の目にやさしい」と書いてはあるが、それなりの光量だ。ここまで明るいと、同じ部屋で寝るのはちょっとしんどい。かといって光を塞ぐと、虫が寄ってこないので意味がない。ワタクシの場合は、これが原因で寝室に置くのは諦めた。遮光カーテンでない場合は、青白い光が外にも漏れてしまうだろう。

photophoto スイッチを入れると、青白い光を放つ(左)。捕虫管にへばり付いた虫

 そのまま見ていたが、なかなか虫が捕まらない。都内では仕方ないのだろうが、しばらく放置することにした。一晩経って見てみると、なにか虫の死骸が蛍光管にへばりついている。これは確かに強力だ。メンテナンスのために中を開けたが、分解と組み立てはカンタンだ。虫は受け皿に落ちるよりも、蛍光管の外枠に付いているものの方が多かった。この場合は蛍光管をブラシでキレイにしてやる必要がある。メンテナンスは思ったよりも楽だが、毎日これをやると思うと少し面倒くさい。

実は蚊にはあまり効果なし

 光が眩しい点のほかにはとくに不満点はなかったが、使っていく内にある問題点が浮かび上がってきた。どうも蚊があまり捕れていないようなのだ。よくよく調べてみると、蚊というのは光に寄ってくるのではなく、人間が吐き出す二酸化炭素に吸い寄せられるという。電撃殺虫器からは二酸化炭素は発生しないので、蚊を誘因する効果はほとんど期待できない。要するに、蚊が気まぐれで補虫蛍光管まで飛んできてくれない限り捕れないのである。これにはちょっとショックだった。なにしろパッケージには蚊が「ヤラレタ〜」という顔をした絵が描いてあるのだ。

 もちろん、光に誘因される小虫や蛾には効果があるので、まったく無駄な買い物だったというわけではないのだが、夏の虫の中でトップクラスの存在感を放つ蚊に効かないとなると、ちょっと残念な気分ではある。

 色々調べたところ、電撃殺虫器の中にも、蚊の誘因剤を散布する機能付きのものがあるようだ。蚊への対策なら、こちらを購入する方がいいかもしれない。また、インターネットの掲示板に、自動車のコーティング剤で光触媒を使ったものを電撃殺虫器に塗ったところ、電撃殺虫器が発する紫外線に反応して二酸化炭素が発生して、蚊を誘因できたという報告もあった。これは少々アクロバットな使い方だが、意地でも薬剤は使いたくないという人には有効かもしれない。

 というわけで今回は少し残念な結果に終わってしまったが、モノ自体が良くないわけではなく、光に寄ってくる虫にはかなり効く製品であることは間違いない。蛾などに悩まされている方には、ぜひオススメしたい一品だ。

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