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真空保存で食品を守れ!――「新鮮バキュームケース」橘十徳の「自腹ですがなにか?」第10回(2/2 ページ)

» 2007年08月21日 12時28分 公開
[橘十徳,ITmedia]
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photo 食パンを入れたところ

 電源は、ACアダプターとアルカリ単一形乾電池4本のどちらかを選択できる。キッチン周りに置く場合、コンセントが足りない場合や距離が遠い場合などに、乾電池も使えるので便利だ。ただ、説明書や本体のどこを見ても消費電力が書いていない。これにはまいった。台所は電子レンジやIH炊飯器など商品電力が多い機器が多いから、消費電力がどれくらいかは気になるものだ。実際に使ってみて、使っている途中にブレーカーが落ちたりすることは一度もなかったが、できればきちんと明記していおいてほしいと思う。

 使い方は簡単だ。ロックレバーをスライドさせてケースの蓋を開ける。中に食品を入れたら蓋を閉めてロックレバーをロックして、スイッチを入れるだけだ。このとき、底部の端にある空気抜きの穴を塞がないように注意する。

 あとは正面の電源ボタンを押せば空気抜きが始まる。空気を抜くのに要する時間は4分間ほどで、実はこのとき「ゴゴゴゴゴゴゴ」と大きな音が響き渡る。自動車や自転車のタイヤに使う電動の空気入れに似たような音だ。これは予想以上に大きく、しかも不快だ。リビングに置いたら家族から苦情が出るかもしれない。空気抜きが終わると自動的に停止するが、停止したあとも中の空気圧が高くなると再び自動的に空気抜きが始まるようになっている。

開けるときは空気入れボタンを押してから

 真空保存した状態から中のものを取り出す際には、ケースの頂上部にある空気入れボタンを押す。シューッという空気が入る音が聞こえるので、この音が聞こえなくなるまで押し続ける。あとはロックレバーを解除して、蓋を開けて中のものを取り出すだけだ。真空保存中といっても、外から見てとくに変わった部分はない。ただ、取り出すときにパンの袋などが少しひしゃげる。「気圧が変化しているんだな」と感じるのはこのときだ。

photophoto スライド式のロックレバーとスイッチ(左)。空気入れボタン(右)

 なお、庫内の空気圧が低いと蓋が本体と密着するために、蓋が開けづらくなる。実はこの商品が届いて最初に蓋を開けようとしたとき、なかなか開けづらくて困った。後から考えれば、あれは庫内の空気圧が低い状態だったのかもしれない。こんなときに無理に開けるとロックレバーを壊す恐れがあるので、慌てずに空気入れのボタンをさらに押して空気圧を高めれば蓋が開くようになる。

漬け物も早く作れる

 このように使い勝手はとても簡単で、設置場所さえ確保できれば快適に使える製品だが、なにぶん動作音が大きいのには閉口した。筆者にとってはかろうじて許容範囲といえるが、我慢できない人もいるかもしれない。この点を許せれば「買い」だ。パンだけでなく、湿度が高い時期にスナック菓子や煎餅などをこの中に入れておけば、湿気るのを予防できるだろう。

 また、これは説明書に書いてあったことだが、気圧が低いと塩の浸透率が高まるので、漬け物を作るときにも好都合なのだそうだ。通常よりも早く漬け物が作れたり、肉や魚の下味も早く付くそうである。保存器具としての使い方だけでなく調理器具としても使えるわけで、そう考えるとけっこうお得な買い物だ。食品の鮮度にこだわる人は、ぜひ試していただきたい。

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