さらにニコンの70〜300mmレンズは2本あるが、価格も重さも全然違う。高い方は手ブレ補正が付いていてレンズ内にAF駆動用の超音波モーターを持っていてEDレンズといういいレンズを使っている。それによって価格は2倍以上違うが、その分クオリティや使い勝手も全然違うわけである。
分かりやすいよう似たスペックの望遠レンズを参考にしたが、これは他のレンズにもいえる。
もし高くても重くてもいいからすごくいいレンズがいい、という人はまあ、F2.8やF4の1キロ以上あるレンズを買えばいいわけだが、普通の人は、55〜200mmクラスか、70〜300mmクラスのどちらかを選ぶことになるだろう。
価格も気になるだろうが、ここは「小型軽量」を重視するか「性能」を重視するかで決めるのがいい。
いいレンズの方がAFが高速でスムーズだったり、通常の撮影では気にならなくても逆光時など苛酷な条件での写りが違ったりする。
もう1つ、シグマやタムロンといったレンズ専業メーカーもある。こちらの方が同等性能のレンズをより安く買えたりするので、そちらを選ぶのもいいだろう。
18〜55mmでは望遠が足りないので、望遠系ズームを選ぼう、って話をしたわけだが、もうひとつ選択肢がある。
1本で全部賄えちゃう「超高倍率ズームレンズ」だ。
「18〜200ミリ」という11.1倍のズームレンズがあるのである。
これなら、広角から望遠まで1本で済むので、18〜55mmの代わりにつければ、レンズ交換なしで全部賄える。全部入りレンズである。
代表的なのがニコンの「AF〜S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)」。長ったらしい名前だが、「18〜200ミリのVRレンズ」でだいたい通じる。VRというのは「手ブレ補正機能が付いてる」という意味。10万円するレンズだがしばらくは入手困難だったほどだ。
キヤノンは同等クラスのレンズを用意してないが、そういうときはシグマである。
シグマが「18-200mm F3.5-6.3 DC OS」というレンズを出している。こちらも18〜200mmで手ブレ補正付だ。
55〜200mmクラスに比べて2〜300グラムほど重くなるが、これ1本で日常の撮影は賄えるのですごく楽で、便利さでは最高峰である。
ただ、11倍もの高倍率になると、どうしても広角端や望遠端での歪みが出てしまう。建物を撮るのが趣味だから直線がピシッと出ないといやという人や、仕事でピシッとした写真を撮らなきゃいけない人向けではないが、日常の写真では気にならない。それ以上に、メリットが大きなレンズだ。
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