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» 2007年08月29日 22時37分 UPDATE

脱フルオートの道 第8回:もう一度確認したいズームの使い方

遠くの被写体を近くに引き寄せる「ズーム」は確かに便利だが、なんでもズームすればいいというワケではない。

[小山安博,ITmedia]

 一般的なコンパクトデジタルカメラでは、3倍程度のズームレンズを備える製品が多い。なかには5倍、10倍といった製品もあり、遠くのものを引き寄せて大きく写せる非常に便利なものだが、これにもちょっとした使いこなしのワザがある。

焦点距離で決まる画角

 ボケの回でも説明したが、ズームレンズを備えるカメラは、最も広い範囲を撮影できる「ワイド(広角)端」から、最も遠くのものを引き寄せて大写しにできる「テレ(望遠)端」までの間で撮影できる。よく新製品情報で「焦点距離は35〜105ミリ」などというのが、この範囲を指す。

 この「焦点距離」は、おおざっぱに言って「レンズの中心から撮像素子までの距離」(ただしカメラレンズの場合は物理的なレンズの中心ではない)だが、デジカメの場合、撮像素子の大きさによって距離が異なってくるため、一般的に35ミリフィルム(を利用する銀塩カメラ)を基準にして焦点距離は表される。

 焦点距離とは別に、どれだけの範囲を撮影できるかどうかを示す「画角」という言葉もあり、「広角」という言葉は、この画角が広い(=写る範囲が広い)という意味。焦点距離と画角は、焦点距離が長くなるほど画角は狭くなり、焦点距離が短くなるほど画角は広くなるという関係にある。

 画角も35ミリフィルムを基準に表現することが多いが、いずれにしても焦点距離を変えれば画角も変わる(写る範囲が変化する)。

ズームしながら自分も動こう

 さて、このズームだが、主に海や山など横に長い風景を撮影する場合には広角端、動物園の動物のような遠くのものを撮る場合は望遠端を使うのが一般的だ。

 ただ、レンズの広角側と望遠側にはそれぞれ特徴がある。広角端で直線を写そうとすると、その直線がまっすぐに写らずに歪みやすい。また、望遠端では、遠くのものと近くのものが混在した写真で、遠くのものが近くにあるように見えることが多い(これを「圧縮効果」という)。

photo 広角レンズを使った写真。特に四隅に向かって歪んでいるのが分かる
photo こちらは望遠写真。前景の車と背景の距離はかなりあるのだが、接近しているように見える。これが圧縮効果

 名所で記念写真を撮るとき広角端を使って名所の端から端まで写そうとすると、本来ならまっすぐな柱などが歪んで写りがちであるし、ポートレート写真を撮る場合も、広角側だとふっくらした感じになりやすい(なので女性を撮る場合には要注意だ)。

 そんなときには被写体から離れて望遠側を使って撮影するといい。望遠側の方が歪みが少なく、さらに低い位置から撮影すれば、小顔かつ足が長めに写る。女性を撮る場合は特にこのあたりを配慮した方がいい。また、望遠側を使うと背景がボケやすいため、被写体が浮かび上がってより強調される効果があり、ポートレートには最適だ。

 ところが望遠側では背景がボケやすいため、名所などでの記念撮影の場合、どこで撮ったのかよく分からない、という羽目になりかねない。こういうときはやはり広角側で撮影しよう。もともと、広角側の焦点距離が35ミリぐらいの一般的なコンパクトデジカメであれば広角でもそれほど歪みはないので、あまり過敏になることもない。

 とはいえ、単純に広い場所を写すときは広角、遠くのものを写すときは望遠、と考えるのではなく、ズームをいろいろ変えて写真を撮ることから始めよう。ちょっと離れたものを撮るときにズームを望遠にするのではなく、自分が動いてみるのも重要。ズームに加えて自分が前後に動けば、さらに写真の幅が広がるからだ。ちょっと望遠側にズームする前に、自分が近づいてみると、またひと味違った写真が撮れるかもしれないので、ぜひ試してもらいたい。

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