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最強の“全部入り”18倍ズーム機――LUMIX「DMC-FZ18」レビュー(3/5 ページ)

» 2007年09月03日 15時41分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 撮影モードも増えている。

 2007年の同社秋モデルのウリである「おまかせiA」が追加されたほか、ポートレート・風景・スポーツ・夜景の4つは「アドバンスドシーンモード」と位置づけられ、ダイヤルに独立したポジションが用意されている。

モードダイヤルを回すと画面上にもバーチャルダイヤルが現れる
風景モードにするとさらに細かいシーン設定が可能。これはとても便利

 この4つにはさらにサブメニューが用意されている。例えば風景では通常の風景の他に、自然撮影、建物撮影(シャープになる)、クリエイティブ(シャッタースピードを変更できる)と目的に応じたシーン設定など、通常のシーンモードより一歩踏み込んで撮影者の意図を伝えられるわけである。

 マニュアル露出も可能であるなど、マニュアル系の凝った撮影を楽しみたい人向けの機能があれこれ揃っていてなかなか楽しい。バッテリーは電圧が高い7.2Vで710mAhのタイプ。CIPA規格で約400枚の撮影が可能だ。

セットアップ画面。各種ガイドライン表示やワールドタイム対応など結構凝っている(左)、バッテリーはやや大きめのタイプでCIPA規格で約400枚と持ちはなかなかよい(右)

 本体重量は約360グラム。FZ8の約310グラムに比べるとちょっと重くなったが、同じ18倍ズームを持つオリンパスの「SP-550UZ」が365グラム、富士フイルムの「FinePix S8000fd」が約410グラムであるが、この2機種は単三形電池4本を使うタイプなので撮影時重量はさらに重くなる。高倍率ズームクラスとしてはコンパクトで軽量だ。

最強の全部入りデジカメである

 つまり、28〜504ミリ相当の広角から超望遠までフォローし、各種撮影機能満載の魅力的なモデルだ。特に、同社らしいユニークな機能がいくつも追加されており、どれもなかなか実用的で評価できる。

 シャッターボタンの感触が今ひとつ滑らかでない、フードの装着がスマートでないなど細かい難点はあるものの、コストパフォーマンスも高く、1台で全部こなせる便利な1台として手元に置いておきたいカメラだ。

 ちなみに、気になるのは春に出たFZ8との関係。FZ18は広角側も望遠側も焦点距離を広げた分、ボディがひとまわり大きくなりちょっと重くなり望遠端がちょっと暗くなった(F3.3→4.4)。

 よって、少しでもコンパクトで軽くて安い望遠デジカメを、という人にはFZ8もまだ魅力的だが、なんだかんだいってFZ18は今のところ、最強の全部入りデジカメといってよさそうである。

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