9月5日に何かが起きる。そういった噂がまことしやかに流れていたが、それがいよいよ現実のものとなった。現地時間5日、米Appleが開催したスペシャルイベントの様子が国内の関係者にも衛星録画で紹介された。
黒いハイネックシャツとジーンズ。近頃はおきまりとなった格好で現れたスティーブ・ジョブズ氏。その顔には営業スマイル以上の、本当に楽しそうな笑顔にあふれている。ピックサプライズをプレゼントしようとしている、子供のような顔だ。その態度が表しているように、今回の新製品発表会は、iPod全モデルがリニューアル、加えて噂の新モデルが登場という、近年希に見る話題の豊富さだった。
「今日こそ音楽の話をしよう」――そう切り出したジョブズ氏はまずiTunesストアの近況とiPhone向け着信音サービスの開始を発表した。そしてPRODUCT (red)を加えた新しい5色展開のiPod shuffleを紹介した。意外にあっさりとしているな、と思ったら、次のiPod nanoからがすごかった。
新iPod nanoはまるで別製品のような進化を遂げていた。ジョブズ氏は、前モデルよりも横に広がった新デザインを見せたのち、「世界でもっとも人気のあるミュージックプレーヤーにビデオ機能を搭載した」と最大のトピックであるビデオ対応を発表した。
既存モデル比で65%アップした明るい2インチ液晶は320×240ピクセルの解像度を持ち、ビデオを楽しむのに十分な能力を持っていることをアピール。ミュージックプレーヤーとしてもCover Flowを搭載したことで、直感的な操作が行えるようになったとこちらの進化も忘れずに紹介する。ラインアップは4G/8Gバイトだが、5色展開は8Gバイト版のみ。メインモデルは8Gバイト版へ移ったようだ。
続くiPod classicは、新iPod nanoと共通のデザインで、色はシルバーとブラックの2色。ジョブズ氏が最初にアピールしたのは、その薄さだった。「既存の30Gバイトモデルとほぼ同じ厚さで80Gバイトの容量だ」という彼の言葉に、会場からは歓声があがる。さらに「既存80Gバイトモデルの厚みで160Gバイト」「価格は160Gバイト版で349ドル」と続けると、いったいどれだけ進化するんだ、というため息まで聞こえてくるようになった。
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