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“ツンデレワンセグ”を飼い慣らす方法(2/2 ページ)

» 2007年09月20日 13時20分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 SEGNITYでは、「ボリューム」や「チャンネル」といった機能ボタンと「+」「−」を組み合わせて操作する。音声はそれぞれの操作に割り当てられていて、たとえばチャンネルを変えるために「チャンネル」ボタンを押すと、「ちょっと、見てるんだからチャンネル変えないでよね」(ツンツン状態)などと言われる。態度のでかいテレビだ。

 しかし、しばらく使っているとテレビの態度は軟化する(ツンデレ状態)。チャンネル変更モードでは「ちょっと本気? まあ、チャンネル変えていいわ」。ここで「+/ー」ボタンでチャンネルを変えると「あ、あなたのためにチャンネル変えるんじゃないんだから」「ちょうど飽きたところだから、チャンネル変えていいわ」などと言う。

photophotophoto チャンネル変更時は、タイムラグを利用してイメージ画像を表示する。加茂氏の手によるキャラクターはかわいいのだが、音声ナビと全く関係のない画像が表示されるのはちょっと微妙だ。なお、10月下旬に公開予定の専用ソフトを使うと、音声や画像をカスタマイズできる

 さらに使い込むと、テレビの態度はデレデレ状態に。「どのチャンネルにする〜?」「チャンネル、かえるね……」「チャンネル、かえまーす。えいっ」。テキストベースで声のニュアンスをお伝えするのは難しいが(ルイズを思い浮かべると分かりやすいかも)、とりあえず人前で聴くのは控えたいデレデレぶり。しかも音声ナビがしゃべり終わるまで、ワンセグ放送の音声は聞けない仕様になっている。

 音声ナビのセリフをすべて紹介してしまうのも野暮なのでこのへんに止めておくが、態度が変わったときは妙に嬉しくなるから不思議だ。ただし、そばに女性がいるときはイヤフォンが必須だろう。とくにデレデレ状態の音声ナビが大音量で社内に流れたりすると、かなりの高確率でヤバめのフラグが立つ。

photophotophoto 番組名表示(左)とメニュー画面(中)。EPGやデータ放送などを搭載しない極めて割り切った仕様だ。液晶パネルも2.7インチと小さめで、コスト削減努力が滲み出ている印象だ。ただ、字幕などはしっかり読めるのであまり心配する必要はない

 では、何がトリガーになってテレビの態度は変わるのか。考えられるのは、電源オンの回数や電源を投入していた累積時間、操作頻度などだろう。LifeStyle編集部では、執拗な検証を行い秘密を解き明かすことに成功したが、今回は“大人の配慮”で紹介しない。ただ、なるべく早くデレデレにしたい読者のためにヒントを書いておこう。

 週末を一回ツブす覚悟で真剣に向き合えば、テレビは必ず応えてくれる。でも、ツンデレ娘をあまり構っても仕方ないので、クールに見守ろう。

 以上だ。健闘を祈る(敬礼)。

余談:ツンデレ娘に惹かれる理由

 ところで、なぜ男はツンデレ娘に惹かれるのだろう。理由については諸説あるが、中でも信憑性が高いのは「ゲイン・ロス効果」と呼ばれる心理作用だ。

 たとえば人に何か苦言を呈したいとき。単に怒ってみせるだけでは相手にマイナスの感情が芽生えてしまい、後に響きかねない。だからフォローの言葉をセットにするわけだが、問題はその順番だ。褒めてから怒るより、怒ったあとで持ち上げたほうが相手の感情はプラスに働きやすいという。これがゲイン・ロス効果である。さんざん叱った後で「アナタはやればできる子なんだから」と根拠のない自信を見せる親や、散々けなした後で「期待しているよ」と心にもないフォローをかます上司なども同じ理屈。人は無意識にゲイン・ロス効果を狙うようだ。

 そして恋愛に関しても同じ理屈が働くらしい。周知の通り、少女漫画の主人公は、普段はぶっきらぼうな男が雨の公園で子猫を抱き上げただけで恋におちるし、女王様気どりの鼻持ちならない女が急にしおらしくなったら男は必要以上に気になるもの。日常とのギャップがトリガーとなり、ゲイン・ロス効果を伴って大いなる勘違いが生じる瞬間である。

 逆に、この理屈さえわかっていれば、確信犯的に結果を誘導することもできるはず。――そう。テレビの態度が変わったとき、妙に嬉しくなったアナタ(ワタシ?)。本当は既にツンデレテレビに飼い慣らされているのかもしれない。

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